鴨島町のなんということはない住宅地の一角に小さな公園があった。
あ、乙女台だ。
乙女台が手作りの滑り台ではなく、遊具メーカーの商品だということは、ほぼ確定したと言っていいのではないか。
滑降面はFRP樹脂板。母材はエポキシ樹脂ではないかと思う。
坊の乙女台はこの部分がアクリル板でできていた。どちらが原初の形態なのか判断するのはむずかしいがアクリル板のほうが古いような気がする。その理由は、アクリルは摩擦に弱いので滑り台には向かない材質だ。途中から商品仕様を変更するとしても、エポキシ樹脂→アクリルという仕様改良は考えにくいからである。
また、タラップの構造を見ても、坊の乙女台よりもこちらのほうが簡略化されている。洗練されていると言ってもいいかもしれない。
このことからも、坊の乙女台よりもこの物件のほうが時代が新しいと考えられる。
時代が新しいとは言え、横からみたときの、室内飛行機のような頼りなさは変わらない。
逆に言えば、鉄という素材の本来の強さがよくわかる見本ともいえる。
デッキからみたところ。デッキのタイプは「開放デッキ」型。
滑降部の側壁がないので、はみ出てしまうのではないかという心細さを感じる。
滑降面はかなり荒れてきているので、やや心配な台である。
園内にはほかに太鼓雲梯、鉄棒、滑り台があった。
(2004年10月17日訪問)