阿南市の市役所から見て桑野川を北岸に渡ったところにある
公園の名前は不明。字の名前をとって、願能地東公園とでも呼んでおこうと思う。田園地帯に作られた比較的新しい公園と思われる。中型の鉄製滑り台が2基あった。
ひとつはこれ。滑り台保存館#151と完全に同型のものだ。
滑降部の下端に向けて手すりが逓減し、先端がパイプ形状になっている。
これは遊具メーカー、大永ドリームの滑り台の特徴だ。
古代ゾウの牙のようでもある。それが生物的にみえるのは、数学的な美しさを探求している大永ドリームのデザインの特徴と言っていいだろう。
タラップはパイプをかしめて平坦にしてあるものの、ほぼハシゴと言っていいだろう。
手すりもしっかりしているので、登りにくいということはないと思う。
このようにタラップと滑降部が「へ」の字型に接合し、デッキがない滑り台の典型例として「公団型」と呼ばれる製品がある。この物件は公団型に似ているとはいえ、公団型と呼ぶべきではないだろう。公団型はタラップと滑降部だけで架構されていて、柱が存在しないからだ。
デッキは極度に狭い。ここに登って上でなにかをするということは無理そう。
コーションプレートには、「宝くじ安全高速すべり台、寄贈日本宝くじ協会」とある。この大永ドリームの滑降部パーツは「安全高速すべり台」という商品名なのだろうか。大永ドリームの台はほかでも宝くじ協会の寄贈で使われているのを見たことがある。
だがデッキの手すりの内側にカエシになっている部分が他の手すりのレベルより一段下がった構造になっている点が違っている。
また滑降部への滑り出し部分にある取っ手が存在しないという点でも違いがある。#094の取っ手は滑り出すときに衣服のヒモなどが引っかかる可能性もあり、その点ではこちらの物件のほうがよりこなれた設計と言えるだろう。
滑降部下端の手すりが丸めてあるところも#094と違っている。総じてこちらの台のほうが安全性に配慮されているので後期モデルなのだろう。
メーカーは未確認だったが「ひかりのくに」というコーションプレートがあった。
ロゴからして児童書を出版している「ひかりのくに㈱」であることがわかるが、現在でも同社が公園の遊具を扱っているかどうかは不明だ。
公園にあったゾウのライド。
(2004年11月13日訪問)