秋芳洞

名実ともに日本を代表する鍾乳洞。門前町も充実。

(山口県美祢市秋芳町秋吉)

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カルスト台地秋吉台(あきよしだい)にある鍾乳洞の秋芳洞(あきよしどう)。日本を代表する鍾乳洞と言っていいのではないか。岩手県の龍泉洞、高知県の龍河洞とともに、日本三大鍾乳洞といわれている。秋芳洞は「しゅうほうどう」と呼ばれることもあるが、正式には「あきよしどう」だ。

きょうはまずこの定番中の定番の観光地最初に見ておこう。

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時刻は9:30。平日ということもあって閑散としていたが土産物屋街がものすごく充実している。

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土産物は鍾乳石を使った置物が多数を占めている。ほかにも化石や水晶などの石関連の商品もある。これは日本三大鍾乳洞といわれるの残りの2箇所の土産物屋街には見られない特徴だと思う。

手軽に鍾乳石を入手したい、という人にはオススメの土産物屋街といえよう。

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ただ、置物のセンスがなんというか・・・古い。

人生訓が書かれた石版とか、「合格」や「希望」というった文字が書かれた将棋の駒みたいなものとか、どうしたらいいのかわからない。

もっとシンプルな鍾乳石土産を充実させてほしい。

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土産物屋街の先に料金ゲートが見えてきた。

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料金ゲートを過ぎると洞口から勢いよく川が流れ出している上を橋で渡っていく。

いま本来の橋を改築中で、仮設の橋が架かっているため洞口がよく見えない状態。

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堂内に入ると非常に広大な空間に出る。

いままで行った観光洞でこれほど天井の高い空間を見たことがない。

洞内は意外に暗く、このときのデジカメの性能では撮影は困難だった。

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広大というのは確かにこの秋芳洞のスケールを物語っているが、いっぽうではかなり大味な感じでもある。

カラダの幅ギリギリの細い通路や、割れ目の中を登って行くハシゴがあるような観光洞もあるなかで、ここでは広くて平らな通路を歩くだけだからだ。

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秋芳洞の最大の見ものは、洞口から入って比較的最初のほうにある「百枚皿」と呼ばれるリムストーンプールだ。

写真写りが悪くて申し訳ないが、ここは本当に感動的。

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その先から軽い上りになっている。

川は滝のように流れている。

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「洞内富士」と呼ばれる巨大な石筍。

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「大松茸」と呼ばれるフローストーン。

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そからら先に、また「千町田」大きなリムストーンがある。

ここから先は上り階段がしばらく続く。

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階段を登り切ると千畳敷という巨大な空間があるのでひと休み。

秋芳洞の観光通路は約1,000mあるといい、ここは700m付近。

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この中継点にはエレベーターがあり秋吉台に出ることができる。

秋芳洞には入口が3つあり、これはそのひとつ。

私が入ったのはメインの入口で、多くの観光客はメインの入口から入ることになるだろうが、秋吉台の博物館付近からエレベータを使って入洞することもできるのだ。

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ここを過ぎると、二次生成物が表現豊かになってくる。

これは「黄金柱」と呼ばれる巨大な石柱。

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ん? なにやら怪しいハシゴが見える。閉鎖されているが、かつてはこちらへも行けたっぽい。

現在は下にトンネルが造られている。

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このあたりは、もともとの秋芳洞ではなく、「黒谷支洞」と呼ばれる支洞で新たに開通したルートらしい。

「五月雨御殿」と呼ばれるフローストーン。

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「クラゲの滝登り」と呼ばれるフローストーン。

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シルエットになってしまったが「マリア観音」と呼ばれる石筍。

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黒谷支洞は二次生成物のレベルが高く、鍾乳石が好きな人にはうれしいコースだが、ある意味では普通の観光洞と似た感じの場所だ。

やっぱり秋芳洞は、光が届かないような巨大なホールとリムストーンプールなんだろうな。

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最後のほうには長い人工のトンネルがある。

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その先には黒谷口という別の入口がある。

ここは、メインのゲートからは山を越えた場所になるので、ここから出ると駐車場へ歩いて行くことはできない。

したがって、帰りはまた同じルートを戻り、1,000mの距離を歩いくことになる。

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再び入口まで戻ってきた。メインゲートから黒谷口までは割とセカセカ歩いても40分くらいかかり、帰路もだいたい同じくらいかかるので、地中にいた時間は1時間半だった。駐車からの洞内見学、土産物物色などで2時間はみておいたほうがいいだろう。

メインゲートを出たところに、秋芳洞開山堂という懸崖造りのお寺がある。

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お堂の内部には秋芳洞に入定(にゅうじょう)した(修行で命を落とした)寿円禅師というお坊さんの像があった。

寿円は室町時代初期の僧で、この地方に旱魃があったとき鍾乳洞に籠って雨ごいをしたのだという。

鍾乳洞に僧が入定するというのはよくあることなのだろうか。他の鍾乳洞でも聞いたことがある。

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開山堂の寺務所にはおみくじの自販機があった。

(2003年09月05日訪問)