秋吉台にある観光鍾乳洞のひとつ、大正洞。さきほど紹介した真名ヶ岳の北麓にある。その名前は大正時代に深部が発見されたことに由来する。鍾乳洞があることはもとももと知られていて「牛隠しの洞」と呼ばれていたのが、深部の発見に伴い改名したのだという。
その入口付近には大きな吸い込み穴がある。そこへ流れ落ちる渓流。
さきほどの渓流が流れ落ちる先。この吸い込み穴は「犬ヶ森ポノール」と呼ばれている。ポノールとは吸い込み穴のことである。
ここから吸い込まれる水は鍾乳洞、景清穴から流れ出た川である。
これだけの水量が絶え間なく地下に吸い込まれているのだ。見ているだけでゾクゾクしてくる。
大正洞の入口。
大きな洞口がやや下るように開口している。観光洞の多くでは入口をコンクリの建物で塞ぎ、ドアを開けて入るようなものもあるが、ここは自然の開口のままだ。
かなりの迫力。
洞口から左側には別の開口がある。
案内板によれば洞内は5層になっていて、最上層から順番に、高天原、極楽、牛隠し、地獄、奈落と名付けられている。洞口は牛隠し層にある。
上下がつながっている箇所では、下の方に通路が見えている。立体迷路型の鍾乳洞の醍醐味のひとつだ。
牛隠しエリアから極楽エリアへの途中にある狭い通路。だがここまでのところ目立った二次生成物はない。
極楽エリアのホールに到着。
平日ということもあって観光客はまったくおらず、静かな地下世界を独占。
このあたりでは多少の二次生成物がある。
これは
「蓮池」と呼ばれる地底湖。
入れそうな怪しい支洞もところどころにある。
「くらげ岩」と名付けられたフローストーン。
案内板には5層構造と書かれていたが、見学できるのは上から3層だけだったのではないかと思う。
出口は入口とは別の場所に出た。
洞内見学の所要時間は30分ほどだった。
このあたりにも怪しい穴がいくつもある。
大正洞の入場料は、このあとに訪れる
秋芳洞は洞内で案内のスピーカーの放送がワンワンと反響していて興ざめだったが、こちらは静かで落ち着いた鍾乳洞だ。二次生成物が少なくてもとにかく地下を巡りたいという人にお薦めする。
(2003年09月05日訪問)