下関市へ到着。雨のためきょうはもう寺社巡りは無理かと思っていたが、急に小降りになったので一ヶ所だけ立寄ることにした。
新幹線の新下関駅にほどちかい住吉神社である。博多、大阪の住吉神社とあわせ、三大住吉神社のひとつである。周囲は丘陵地帯に作られた新興住宅地のような場所だが、神社の周りだけ緑が残っている。
神社の創建は古く、神功皇后が熊襲・新羅の討伐を行なった際にこの地に社を建てたという伝説がある。神話の域でしかないが飛鳥時代にはさかのぼるのだろう。
鳥居をくぐって境内に入ると、まず参道右手に宝物館がある。
写真には一切参詣者が写っていないのは、時刻は17時すぎでしかも大雨の直後だったためだ。
参道の左側には大きな池があり、中島には厳島神社が祀られている。
短い太鼓橋があり、社殿はその先の丘陵の中腹にある。
水盤舎。
狛犬は鼻の穴が大きくて獅子舞の獅子のような造形。
なかなかに可愛い。
短い石段を登ると随身門の三間一戸楼門がある。
1階には正面に小屋根があるので二重門のようにも見えるが、楼門である。
楼門の内側から境内をみたところ。見た通り裏側には小屋根がない。
楼門の左右には翼廊がつながっているが、回廊型式ではなく護符売り場などの建物になっている。
境内案内図で拝殿とされているもの。縦拝殿といえばいいか。
機能的には舞殿と言えるのではないか。
拝殿は国重文に指定されている。
拝殿の背後には向唐門の中門と瑞垣がある。
本殿は9間社流れ造りという特殊なもの。5柱の流れ造りの神社が横並びになり、その間もひとつの棟でつなげたため合計9間になっているというもの。
室町初期に建てられたとされ、国宝に指定されている。瑞垣があるためよく見えない。
博多や大阪の住吉神社が、いわゆる住吉造りといわれる切妻妻入りのなのに対して、この神社は型式が異なっている。
翼廊がら右側に出ると、社務所がある。
社務所のさらに外側には末社の稲荷社。
翼廊から左側に出ると西参道になっている。駐車場から直接入ってくると、こちらの参道になる。
西参道から本殿の右側へ行くことができ、絵馬堂がある。
通常、このまま本殿の背後へ廻れそうなものだが、この神社では立ち入り禁止になっている。
西参道の土蔵と水盤舎。
水盤舎の裏側には末社の検非違使社というものがあった。
社務所にも明かりが灯り、もう夕方の気配が色濃くなってきた。普段ならもう1時間くらいはがんばるところだが、きょうは雨もひどく足も疲れていて、宿を探すことにした。
GW中ということもあり安宿が見つからず、関門海峡を渡って小倉方面で宿泊することになったのだった。
(2004年05月03日訪問)