大岳院。倉吉の町並み観光の東のはずれにある寺。
この場所は、室町時代に勢力を誇った山名氏の館跡だといわれている。
総門は薬医門。
薬医門を過ぎると聖観音像がある。
そのすぐ先に一間一戸楼門がある。
中央に柱が2本あり、三間三戸といえなくもないが、規模的には小さいので一間一戸としておこう。
この楼門は、正面から見ると楼上がはめ殺しの壁になっている。
しかし裏側からみると格子戸になっていて、何らかの神仏が祀られているのではないかと思われる構造になっている。
山門の左側に駒姫八幡大菩薩という名前の鎮守社がある。
八幡社というわりには構造的には神明造のようでもあり、あるいは、戦前の奉安殿をも連想させる建造物だ。
駒姫は山名一族の山名豊之の娘の名前だという。
山門の右側には里見氏の墓地がある。
里見氏十代の里見忠義は房州館山の大名だったが、倉吉に転封され、ここで無くなった。その際、8人の忠臣が殉死した。それに報いて、忠義の戒名1文字、「賢」をとって8人の戒名にもあてられた。
南総里見八犬伝の8人の剣士はこれがモデルになったのだそうだ。
本堂は銅板葺き入母屋。縋破風と唐破風を合成したようなちょっとくどい向拝を持つ建物。
本堂の右側には石州瓦葺き二階屋の庫裏がある。
庫裏と本堂のあいだには玄関。
境内には他に観音堂がある。
(2005年05月02日訪問)