大鐸(おおぬで)は瀬戸内の傾斜地という条件もあり、水の確保がむずかしい場所だった。「イデ」と呼ぶ潅漑用水ができたあとも、斜面では水をかけることができずこのあたりでは「田んぼ2反で畑8反あれば一人前」といわれるくらいに畑地が多かった。

その畑で主に作っていたのは、麦、タバコ、甘藷などだった。甘藷は岡山に出荷され焼酎の材料になったが、小麦は島内の農家でそうめんに加工した。

そうめんはいまでは小豆島の名産品のひとつになっている。

その小麦粉を挽いたのではないかと思われる石臼が公民館に集めてあった。

大鐸の集落内を歩いていても、ところどころでそうめんを製造している家がある。

もしかしたら、粉を挽くのに水車があったのではないかと思い探すことにした。

場中という小字で水車があったという場所を教えられたが、礎石や導水路などの痕跡は見つけられなかった。

この用水の上流部分から分水た水路があり、水車に水をかけていたという。