山門は薬医門で、そこからもまだ少しの石段が続く。
エレベータの降り口からは水平の通路が作られていて、境内のメインレベルまでがバリアフリーになっている。
山門を過ぎると左側に水盤舎。
右側には鐘堂と大師堂がある。
さらに進むと右側に客殿、庫裏、玄関、本堂と並んでいる。
庫裏の前には、百度石があるのだが、竿のところに後生車のようなものが付いている。でもこの回転部がお百度カウンターになっているわけではない。タッチするだけじゃなくてここを回してから戻るという趣向なのだろう。
客殿の前は小さな庭園があり、奥に茶室が見える。
本堂は正面から見ると宝形造のようにも見えるが、実際は寄棟妻入りの建物。寄棟妻入りの仏堂って実は珍しく、当サイトではたぶんこれまで1ヶ所しか紹介していない。
それよりも気になるのは、本堂の後ろにそびえるアショカ王の獅子柱頭レプリカ。この石柱は本堂の裏の丘の上に建っていて、そこは第65番札所・光明庵の境内。だが見たところ光明庵は無住で実質的にはここ本覚寺の伽藍の一部なのだろう。入口のエレベーターといい、アショカ王の石柱といい、血気盛んな寺だな。
本堂にはまたも回向柱と善の綱が。
本堂の柱や鴨居は桑の木で造れているというが、どこなのかよくわからなかった。
本堂の中に入ってみると、この建物が妻入りで奥に長いことがわかる。
善の綱も天井を這いながら、本尊へと伸びている。本尊は五大明王だという。つまり、不動明王、
本堂の左側の銅板葺き宝形の建物は護摩堂。
護摩堂の前には石造の不動明王像がある。
先ほど紹介した百度石はこの石造不動明王へお参りするためのような配置になっている。
護摩堂と本堂の間に太鼓橋があり、その奥に観音堂がある。(近影撮り忘れ。)
観音堂へのお参りに百度石を使ってもいいだろうが、途中に石段もあるのでちょっとハード過ぎると思う。
この観音堂に祀られているのは「一髪観音」といい、10万人から集めた頭髪が刺繍されているという。その頭髪の中にはインドの故ネール首相の頭髪も入っているそうだ。
アショカ王獅子柱頭があることといい、インドにゆかりのあるお寺なのだろう。
観音堂の右側には石造十三重塔がある。
その前には、ガネーシャ像があった。(近影撮り忘れ。)お寺の説明では、聖天ということだが、聖天の元になったガネーシャの姿に近いものだった。
蓮台には溝が彫ってあり、水が流れる構造になっていた。この蓮台の形は「ヨニ」と呼ばれる特殊なもので、女陰や子宮を意味している。基本的にヒンドゥ教の祭具であり、当サイトではヒンドゥ寺院で紹介している。
(2007年10月07日訪問)