
土々呂の滝の駐車場前にあった観光案内図。
土々呂の滝から見て北側の斜面の集落を「大藤」っていうのか。「観光道路」って書いてあるけれど、何を観光するのだろう? やっぱり、ソラの集落? 私としては、それで納得なんだけどね。
現在地は右下隅の「駐車場」というところ。これから十輪寺というお寺へ向かう。地図を見ると徒歩で350mと書いてあるけれど、車で。
観光案内図で地図の上辺を左右に横切っている道路がある。
この道は尾根道で、図の左の方へどこまでも行くと、六地蔵峠→桟敷峠→落合峠を経て、祖谷の落合集落まで通じている。私は祖谷へ遊びに行った帰りなどに気まぐれでこのルートを通って帰ることがあるけれど、この大藤あたりまで来ると「人里に帰ってきた!」ってなるくら長距離の山道で、覚悟を決めないと通れないルートだ。

大藤谷川から高度を上げてソラの集落へ入っていく。
「ソラ」の言われは詳しくは知らないが、「空に住んでいるような場所」という言葉なんじゃないかと勝手に考えている。徳島だけの言葉じゃなく、島根でも聞いたことがある。
都市生活者の私には、こうして見えるすべての家々が、この急傾斜の土地で何らかの生計を立てているということがすぐには実感できない。日本人が自家用車を持つようになったのはここ50年くらいのことだ。それ以前はふもとの商店まで買い物に行くのが、お弁当を持っての1日仕事だった。それでもこうした高地に住む理由はひとつには日照だと思うが、それだけでは説明がつかない気がする。

私はソラの集落の様子を「家の玄関を出ると、目の前がソラ」と説明するが、それはこんな家々のことなのだ。
家のまわりの畑の傾斜も半端ではない。

十輪寺はそんな急傾斜の家々と同じような立地にあった。
端四国八十八ヶ所の第72番札所になっている。


伽藍は回向柱付き本堂、十王堂、不動堂。
建物はどれも新しく、境内はよく整っていて気持ちがいい。

本堂の左側には庫裏。

本堂の中にはなぜか盆提灯がたくさん下がっている。

不動堂。

不動堂の内部の様子。

十王堂。

十王堂の内部の様子。

十王は若干人数が足らない。

鬼卒、奪衣婆もいる。
奪衣婆・・・だよね?この人。

閻魔大王の本地である、地蔵菩薩。
(2005年05月29日訪問)