川島駅と後藤田商店

木造三階、望楼のような商店。

(徳島県吉野川市川島町川島春日北)

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山川町で川田劇場跡を見てから1週間後、再び県西の川島町へ来ている。

実は先週も山川町へ行く前にここ川島町で映画館跡の調査をしたのだが、有益な情報が得られなかったのだ。そのための再調査である。

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川島町には阿波9城のひとつ川島城があり、町内からよく見える。

現在の天守閣は模擬天守。つまり歴史的な建造物ではない。

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徳島市方向から来ると伊予街道の旧道は町内で突き当りになる。

左へ行けばそのまま伊予街道へ。右へ行けば善入寺島を経て阿讃山脈を越え、香川県さぬき市方面への街道となっている。

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そのT字路の角にたばこ屋さんがあった。

元は穀屋などの大きな商いをしていたであろうしもた屋だ。

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たばこ屋はよく戦争寡婦に優先的に開業させたといわれるが、ここはもともと専売品の塩も扱っていた商店だったので、タバコももともと扱っていたのではないか。

ここから旧伊予街道、現県道244号線を南へ進むとJR徳島線、阿波川島駅がある。

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阿波川島駅は鉱山の鉱石の積み出し駅だった。JR徳島線は単線で、川島駅は区間唯一の2面3線の構成の駅。

奥に見える山並みの裏側に美郷村の東山鉱山があり、索道で駅まで鉱石を運搬していた。神山町の広石鉱山の鉱石も東山鉱山の索道を経由して搬出したので、二つの鉱山の鉱石がこの駅に集められたことになる。

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駅の東側(写真右方向)の部分に、貨車に鉱石を積込むホッパーを持つ作業場があったと思われるが、遺構らしきものは見つけられなかった。

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現在の駅には西口しかなく、駅前通りが伊予街道まで伸びている。

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この駅前通りの途中には、幸福の科学の創始者、大川隆法が生まれ、高校時代までを過ごした場所がある。

現在は聖地として聖堂が建てられている。

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この駅前通りの突き当りに木造三階のしもた屋がある。

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90度の角を5面に刻んだ円筒状の建築で非常に目立つ。

看板を見ると「ファンシー・日用雑貨の店 ごとうだ」とあるので、文具を扱っていた店だったようだ。もしかしたらそれ以前は書店だったかもしれない。

木造三階というと元は旅館の建物が多いが、この建物はそういう感じがしない。元々商店で、シンボルとしての三階だったのではないかと思う。

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現在、三階部分はトタン板でふさがれているので人は入れないのではないか。

だが、欄干を取り付けた痕跡はあるので、本来の姿は中国の寺院と見まがうような荘厳な雰囲気だったに違いない。

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ただし塔のように造られているのは90度だけで、一種の看板建築的な構造になっている。

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3階の平面は扇形のはずで、使いにくい部屋だったろう。

2022年現在、この建物はすでに取り壊され跡地は駐車場になっている。

(2007年01月07日訪問)

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