羽村の界隈まで来たので、きょうの残りの時間はアレを見ていくことにしよう。
・・・と、GoogleMapを見ながら適当に走っていたら目的地を通りすぎてしまっていた。ちゃんと目的地を入力してナビすればよかったのだけど、ぼんやり走っていたのがいけなかった。
気付けば羽村を過ぎて多摩川を渡り、あきる野市に入っていた。
でもまあとりあえずあきる野市の物件へ。
それは秋川の河岸段丘の上の公民館の庭にある。
といっても、看板も出ていないので知らなければ通り過ぎてしまうような場所だ。
公民館の裏へ回り込んでいくとそれはある。
これが目的の物件。
まいまいず井戸である。
「まいまいず井戸」とは、台地や扇状地などで地下水の水位が深い場所で、いったん地表を掘り下げてからさらに縦井戸を掘るという構造の井戸。
穴の形状はすり鉢状で、螺旋状の通路で地底に降りることができる。その螺旋状の構造がカタツムリの殻のようなので、まいまいずと言われている。
なんだか、さざえ堂と似ているけれど、表裏の関係にあるような立体構造をしている。たぶんさざえ堂ファンはまいまいず井戸も好きなんじゃないかな。
これが案内板にあった平面図。
見事に螺旋状になっているのがわかる。
一般的なまいまいず井戸は地底にさらに縦井戸があってその井戸で水をくむのだが、ここは地底が池になっている。原始的な構造のまいまいず井戸と言っていいのではないか。
でもこれはちょっと飲み水には使えそうにない。
まいまいず井戸と似ているものでインドなどに階段井戸というものがあるが、どちらかというとそれに近いか。作られた年代は不明だが、中世にさかのぼるのではないかという。下手をしたら平安時代くらいまで行くのじゃないのかね。
残念ながら、中に降りることはできない。
まぁ、子どもが落ちておぼれたりしたらいけないから仕方ないか。
ちょっと残念なのは、周りに植え込みがあって井戸がよく見えないこと。
これだったら、鉄の柵でも付けてもらったほうがありがたい。
まいまいず井戸のすぐ横に普通の井戸もあった。
これは後世に作られたもので釣瓶井戸として使われていたものだという。
(2022年07月13日訪問)