五ノ神社のまいまいずはJR羽村駅からわずか100mの神社の境内にある。鉄道で訪れても駅から近いので簡単に見学できる。
このとき車だったが、神社の前の道路にお金の入った財布が落ちていて、交番に届けたついでに駅からの見た神社の方向の写真を撮った。
こちらが神社の境内。
地図では駐車に困るような殺気立った場所にも見えるのだが、実際は道幅が広く、まいまいずを見るくらいの短時間であれば写真の軽ワゴンが停めている場所に路駐するのでも問題ないだろう。
気になる場合は写真左手に西友スーパーの提携駐車場があり、30分100円なのでそこに入れてもいい。
ケヤキが生えている下にまいまいず井戸がある。
すごい!
規模が大きく、しかもよく整備されている。まいまいずを最初に体験するのはここがいいんじゃないかな。
すり鉢状の穴の大きさは、上部で直径16m、底部で直径5mあり、深さは4.3mあるという。
螺旋のカーブが美しい。
井戸の案内板。
平安時代初期に造られたという伝説があるようだ。改修時に鎌倉時代の年号が彫られた板碑が出土していることから、確実に鎌倉時代にはあったと考えられている。
文化財に指定された昭和37年に一度修復、さらに昭和53年に再度修復している。
江戸後期(1800年ごろ)に出版された『新編武蔵風土記稿117巻多摩郡30』の五神村の項にこの井戸の記述がある。
それによれば井戸の本当の名前は不明で「螺井」(らしょう・らせい)と書かれている。江戸中期ごろにはまだ「まいまいず」の呼び方はなかったということがわかる。縦井戸部分の水面までの深さは9mほどで、6m以下の壁面に大きな石材が使われていて古風だと書かれている。
うれしいことに、自由に中に入ることができる。
螺旋を十分に堪能したくて、2往復してしまった!
底部の井戸は網が掛けられていて。現在は水を汲むことはできない。
網目のすきまから覗いてみたけれど、大石が使われているというのはよくわからなかった。
手前の角のとれた川原石の壁は、古井戸としては特段めずらしくはないと思う。
井戸の底から地表を見上げた様子。
続いて神社を見ていこう。
神社の名前は「五ノ神社」という。
『新編武蔵風土記稿』ではこの地を「
駅前の一区画がまるまる神社の境内になっている。いまもイチョウやケヤキの巨樹があるが、かつてはもっと鬱蒼とした森だったのではないかと思う。
左側にあるビルが社務所。
参道の途中、右側には末社の稲荷社。
参道の途中左側には薬師堂がある。
薬師堂の中は暗くてよく見えなかったが、小さな厨子が置かれていた。
薬師堂の背後には、末社の八雲社と水盤舎がある。
拝殿は入り母屋平入り。
拝殿には濡れ縁があるが、休憩したりできないように犬矢来みたいなバリケードが作られている。
裏側に回ってみよう。
本殿の左奥には金毘羅宮。
なお、境内にある末社が五ノ神村の名前の由来となった5つの神社というわけではないと思う。『新編武蔵風土記稿』には、熊野社、第六天社、神明社、稲荷社、子ノ神社がの5社が載っている。
本殿は覆屋の中にあってよく見えないが、市指定文化財に指定されている。
造りは流造り。
本殿の右横には山車蔵。
社務所の横には水飲みがあった。
社務所のビルが建つ前は、建物の敷地が公園だったのではないか。
(2023年01月29日訪問)