徳蔵寺の西側は広い墓地になっている。よく見ると、その墓地の中に何やらお堂がある。
行ってみよう!
前回来たときは暗い時間だったので気付かなかったが、明るい時間でもちょっとわかりにくい場所にある。徳蔵寺に参詣しても気付かない人が多いのではないか。
このお堂自体も独立した参道を持っている。
案内板によれば、天保年間に徳蔵寺が焼失したあと、この場所が仮本堂となっていたようだ。現在の徳蔵寺本堂は昭和6年(1931)に再建された。
石門を入るとすぐに左手に六地蔵堂がある。
石門の右手には無縁仏。
その横には阿弥陀菩薩と地蔵菩薩。
参道の正面に小さな堂があるのが観音堂だろう。
その手前左側に十王堂と閼伽井屋がある。
まず、十王堂から見ていこう。
扁額は「閻魔堂」となっている。
お堂の横幅に対して、地蔵格子の窓が小さく、中が見にくい。
内部には十王と奪衣婆が祀られている。
地獄行き判定装置類は見当たらない。
この像は、この観音堂を開山した慈誉秀大徳という僧が、百観音と四国霊場を行脚した記念に寛政12年(1800)に作ったものを、昭和59年(1984)に修復したものだという。
閻魔大王を中心として、左側に5体、右側に4体の縦横と、右端に奪衣婆がいる。
十王堂のとなりは閼伽井屋。
観音堂。
こちらも窓が小さい。
しかも間口が3間で奥行きが1間という不思議な構造。
もしかして、ここにあった観音堂はもともともっと大きかったが、痛んできたので使える部分だけを利用して小さな堂にしたのではないか。
内部には彩色された厨子がある。
この部分は江戸後期の本堂の一部をそのまま使っているのだろう。
不思議なお堂としか言いようがない。
徳蔵寺を訪れるときは、このお堂を見落とさないようにしよう。
(2022年10月29日訪問)