もさく座

天然温泉付きの大衆演劇の小屋。

(埼玉県行田市佐間)

きょうは朝から行田に来ている。大衆演劇を観劇するためである。

私はこれまで大衆演劇を3回観劇しているけれど、いまだによくわからない世界。同行する妻は大衆演劇は初めてなので、初心者に優しそうなここ「もさく座」を選んでみた。

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場所はさきたま古墳群の斜向かいなので、少し早めに到着してさきたま古墳群を見学。

昼の部は13時半スタートなので、12時ごろ入館して食事をしてから観劇、その後、温泉に入浴しようというスケジュールだ。

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ホテルも併設されているので、遠方から訪れる人にも便利。

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県道に面したところに源泉が湧き出している様子が見られるようになっている。深さ1,500mの井戸から湧き出る43度の温泉で、泉質が実感できるよいお湯。行田~熊谷地域の日帰り温泉って泉質がいいような気がする。

お風呂は露天がメインで、いくつかの湯船が斜面に配置されている複雑なレイアウトで、レトロな温泉パークといった風情。お湯のぬるい湯船もあり、かなり好みの日帰り温泉だ。

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劇場は日帰り温泉に併設されていて、芝居+温泉で1日2,000円、温泉だけだと800円というコースになっている。

会員割引があり、入会費は有料だが1回の観劇でも会員になったほうが合計金額が安かったので友の会に入会した。

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このとき公演していたのは橘小竜丸劇団の一座。

座長が2人いる? ベテランと若手のツートップなのだろうけど、これってよくあることなのだろうか。

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舞台は昼の部、夜の部の二部制で、1日料金で両方観られる上に温泉付きなので、むちゃくちゃお得感がある。

しかもお芝居の内容は昼、夜で変わるだけでなく、日ごとにお芝居の演目も変化するので、何回行っても飽きずに楽しめるのだ。

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劇場の入口。

まだ時間が早いので、昼飯を食べることにした。

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同じ館内の大広間で食事ができる。

ここにも宴会用と思われる簡単なステージがある。

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昼飯には天丼と海鮮丼を注文。

それとご当地の名物のゼリーフライをたのんでみた。おからとじゃがいもを練ったコロッケの具みたいなものを揚げた料理。「ゼリーフライ」の名前からアイスクリームの天ぷらみたいなのを想像してしまいがちだが、ぜんぜん違う。

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開演時間が近づいたので劇場へ移動。

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舞台下手に短い花道があり、花道控え(鳥屋(とや))がある。

鳥屋には一座の名前が書かれている。もしかしてこれって常設ではなく、劇団が持ってくる備品なのか。もう少し細かくチェックすればよかった。

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ただ実際にはこの客席中央にある毛氈(もうせん)が花道として使われ、下手(しもて)の花道は仮花道として機能していた。

毛氈に面している席は指定席。席料は確か200円。微々たる金額だけど、まぁ基本的にここはファンというか追っかけの人たちが座る場所。役者さんと息が掛かるほどの距離になるため、空いていても私にはまだ早い。もう少し解ってきてからだ。

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客席は全席平場で畳敷き。奥に向かって雛壇のように段差があり全体が3段になっている。

一番奥の3段目には座布団が用意されていなかったので、イチゲンさんは2段目に座ればいいのだろう。

私たちは2段目奥の下手側に陣取った。

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お芝居は人情モノだった。

「演劇」というと現代劇やアニメ原作の2.5次元などジャンルは幅広いのだけど、「大衆演劇」はほぼ人情モノだと思う。

芝居は撮影禁止なのだが、その後の歌謡ショーは静止画は撮影自由なのがうれしい。

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まずはベテラン座長の歌謡ショー。

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中央の花道は頻繁に利用されるので、ファンは本当に間近で役者さんを見ることができる。

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暗くて分かりにくいけれど、花道はL字型になっていて曲がった先のほうまで使っていた。

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さて、大衆演劇で役者さんが客席にきたときにファンがおひねりを渡すことがある。このおひねりを「花」といい、おひねりを渡すことを「花をつける」という。

むかしは現金を糸で縫ったレイをかけたりしていたと思うのだが、最近は封筒に入れたお金を衣裳にクリップで止めるのが普通らしい。

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役者さんの衣裳にちょっと触れられるし、握手してもらえるからファンにはたまらないだろうと思う。

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花をつけられた状態で見栄を切るのって役者冥利だろう。きょうははファンが多かったのか、花をつける様子も頻繁に見られたのでほっとした。

以前行った小屋で客席がイチゲンさんばかりみたいな状態で、おひねりを出す人がほとんどいなかったことがあり、ちょっと盛り上がりに欠けたことがあったので、盛り上がると観ているほうもうれしい。

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歌謡ショーは少し若い人向きの内容もある。

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ここでもおひねり。

ファンはほぼ女性だけど、年齢層は若い気がした。

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アイドルっぽいダンスもあった。

大衆演劇の歌謡ショーとしてこれが一般的なのかはよくわからない。

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すべてのショーが終わると、出口で役者さんが立っているので一言声をかけることができる。

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そのあと温泉に入って出てみたら、もうあたりは暗くなっていた。

2,000円で一日楽しめるのってすごくない?

(2016年02月11日訪問)

まっぷる 旅でめぐる法然上人 (まっぷるマガジン)

ムック – 2023/9/11
昭文社 旅行ガイドブック 編集部 (編集)
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