滝は2つあり、大野川の本流が雄滝。
ダムではないよ?
これでも、原尻の滝と同じ自然地形なのだ。
少し下流で、支流の平井川が落ちているのが雌滝。
雄滝の雄大さのために雌滝は目立たないが、雌滝も水量の多いかなり立派な滝だ。
この滝は天然の堰といった地形なので、その落差を利用して明治43年に発電所が造られた。
発電所の建物の壁が現在も残っている。
滝から写真右側の水路に取水し、この建物の場所で左のほうに落として発電していたのだろう。
滝の展望台のほうへ行く遊歩道が、発電所の水門の上を通るようになっている。
うれしいことに、不法侵入的なことをしなくても建屋の中にも入れる。
室内の様子。
気軽に立ち入れる廃虚としては、全国的に見てもレベルが高い廃虚だと思う。
右側の壁は開口部はアーチ。これ、デザインじゃなくて、石積みで出来ているからなのだ。
このへん、さすが大分県といったところ。
屋根は軽量鉄骨か木造のトラスだったと思われるが、経年の風化には耐えられず撤去されたが、壁は石積みのためそのまま残ったのだろう。西洋の遺跡のパターン。
導水パイプの後は3ヶ所あるので、タービンも3台あったのだろう。
発電所はその後、さらに下流に移転し、現在も使われている。
取水場所から発電所を離すことで標高差をより稼ぐことができるからだ。
展望台からの雄滝の眺め。滝の落ち口に黒い柱のように見えるのは柱状節理だ。自然にできた滝としてはあまりにも直線的すぎて、案内板などをよく見ずに来たら「滝じゃなくてダムだった」と勘違いしそう。
滝の上に、直線的な構造が見えるのは、現在の発電所の頭首工だ。この堰で効率的に発電用の取水をしてる。原尻の滝にも堰があって農業用水を取水しているので、大分県はこういうところは大胆だな。
水量が多いのですっごい迫力。
発電機のローター部品が展示してあった。
赤い部分がコイルかな。
説明では一般家庭400戸分の発電ができるというが、意外に少なく感じる。いくつ発電機があったのだろう。
観光案内板。
(2012年03月25日訪問)