緒方町を1周したもののいくつかの石風呂が見つからず、このままでは納得がいかないので町の図書館か資料館に行って情報収集することにした。
原尻の滝から町の歴史民俗資料館へ向かうのだが、国道502号線は昨日今日と何往復もしているから、旧道を通る。下自在地区で揚水水車を見た同じ用水路の上流部分を移動していると、、、
やっぱりありました、非観光の実用水車!
下流のサイフォン式水車の文化財の看板に、この用水路には2ヶ所しか水車がないと書かれていたけれど、あるような気がしていたんだよね。だから、水車を探して下流方向もかなり念入りにチェックしたし、ここ上流方向もチェックせずにはいられなかったのだ。
地元民の「水車が残っていない」という誤認を、私は「水車失認症候群」と呼んでいて、何度も経験しているのだ。
水輪は木製、軸は鉄製で軸受けはベアリング。用水路から圃場までの高さは50~100cmほど。
実用揚水水車としてはかなり風情がある部類だろう。
この地域に観光水輪が何ヶ所か新設されているが、それらはこうした実用水車を保守してきたノウハウが残っているから、観光用と言ってもそれなりにありそうな水車が造れたのだ。
この水車は右側の白壁の家個人が所有するもだろう。
水車が水を入れる田んぼはとても狭く、50~60坪くらいしかなさそう。
2023年の衛星写真を見ると、もうこの水車は無くなっているようだ。
訪問時、土地勘がなかったので緒方町の用水路が「上井路」と「下井路」の2系統あることに気づかず、ごっちゃになっていた。お花茶屋の水車は下井路、この上自在の水車やサイフォン式水車は上井路にある。改めてGoogleストリートビューを見ると下井路水系にも実用揚水水車があるようだ。
(2012年03月25日訪問)