流木捕捉工から1kmほど上流へいくと鮎喰川が再び蛇行して沈下橋が見える。
対岸は北向きの斜面だが広い緩やかな土地で一軒家がある。その一軒家へ行くための沈下橋だ。
橋の名前は
以前はこの橋と索道でしか対岸へ行けなかったが、2年前に自治体が道路を造ったので、近くの抜水橋から車で行けるようになったという。
橋桁は2本の木の板で、幅員はかなり狭い。板1枚は40cmくらいだろうか。橋長は約50m。
橋脚は鉄骨だが、対岸の最後の橋脚だけがRC造になっていた。おそらく洗掘で失われたのを再生したのだろう。
橋桁は列車のように連結されていて、増水したときにはまとまって流れるようになっている。
橋脚の断面が三角形に成っている側が上流になる。
ケーブルは護岸の高い位置に結束されている。
対岸から県道方面を見返したところ。
これは私が初めてここを訪れた2007年3月の風景。
次に訪れたのは2008年9月23日だった。
川辺に彼岸花が咲くころ、鮎喰川上流ではモクズガニが旬を迎える。
秋の雨で水量が多い。モクズガニはこの流れに乗って、産卵のために海へ下るのだ。
このころがこの流れ橋が一番美しく映えるときかもしれない。
対岸から県道側を見たところ。
はさ掛けのすぐ上に見える大きな擁壁が県道20号線。
そこから山の斜面を見上げていくと、一番高いところにある人家の前にチラリとガードレールが見える。このガードレールのところを遍路道が通っている。
2009年8月9日の増水。
橋桁は完全に流されているが、まだ橋脚が流れに逆らうように存在感を示していた。
すごい迫力。
よく壊れないものだと思う。
鮎喰川にはダムがないので、台風で増水してもすぐに水がきれいになる。
橋桁が数珠繋ぎで流されているのがよくわかる。
橋の修復は水が引いてから川にユンボを入れて橋桁を吊り上げるという。
以前はもっと川が浅く人力だけで直せたが、上流に砂防堰堤が増えて砂が流れてこなくなり川底が下がっているということだ。
橋桁が壊れたり流亡したときは以前は自治体から補助が出ていたが、もうその補助もなくなりいつまでこの橋が残るかわからない状況だという。
(2007年03月03日訪問)