せっかくの週末なのにダラダラしていたら日曜の午後になってしまった・・・よくあることなのだけど、とにかく家から出ようとやってきたのが神山町。
鮎喰川の先行谷エリアは谷が深いので、15時ともなればもう日陰になって夕刻の雰囲気。
ところが、気まぐれに立ち寄った椚野という集落では時間を戻したみたいに明るい。
もっとも、気まぐれに立ち寄ったと言っても、徳島県民の99.99%は、一度も椚野に行ったことはないだろうし、残りの人生で行くこともないだろうと思う。
なにせここは標高400mの山の尾根近くの集落で、道路はこの集落の一番高いところにある家の敷地で行き止りになっているのだ。
その行き止りの一番最後のカーブに小さな辻堂があった。
中を覗いてみたら厨子があった。
「御本尊だけをこの厨しに入れ、佛具の大きい箱は横に置いて下さい」と書かれている。
法事などで本尊が取り出されることがあるのだろうか。
本尊が何だかは確認できなかった。何の根拠もないのだが、釈迦如来立像ではないかという気がした。いや、根拠ないのだけど。
お堂の回りは墓地になっている。見晴らしのよい場所だ。
見えるのは空と山並みだけ。日当たりもよく、谷底の県道の薄暗さとは別世界のようだ。徳島の天空の集落特有の風景である、
木造の電柱に電灯が付いているが、風化でやせ細って枯れ木のよう。
このお堂の横に越屋根のある民家がある。
これ、たぶんベーハ小屋じゃないかと思う。
神山町ではベーハ小屋はめずらしい。
斜面には小さな樹が育てられている。生け花などに使う常緑の葉を生産しているのだと思う。
かつてこの急斜面で葉タバコを作ったこともあるのだろうか。
(2004年02月15日訪問)