那賀町全体での葉タバコ産地をみると、かつてはナカオク(木頭村?)では阿波葉を作っていた時代があり、山道で峠を越えて吉野川方面に出荷していたそうだ。
那賀川の下流方面は第一黄色種の産地で、旧相生町では
環流丘陵とは、山奥で河川が蛇行している場所で川が短絡して流れが変わり、山脈が独立丘陵として取り残された地形をいう。那賀川にはいくつか環流丘陵があるが、旧相川町役場のところの環流丘陵は最大のもので、規模といいわかりやすさといい日本を代表する環流丘陵と言えるだろう。
ただ現地に行ってみると、あまりにも環流丘陵の規模が大きすぎて、普通の谷底平野と山脈にしか見えないのだ。
これってモーターパラやドローンで空撮しないとどういう地形なのか説明できなそう。いや、ドローンじゃ高度が足らないかも・・・。
あれ? 許可証を見るとさっきの
近くで農作業していた人に聞いてみると雄の人がここまで来てタバコを育てているという。
この先にもタバコ畑があり農家もすぐ横にあると教えられ谷をさらに進んでみた。
それは環流丘陵の端のあたりにあった。
こちらではちょうどタバコ農家が作業をしていた。
今年45アールのタバコを生産している。全盛期には70~80アール作ったこともあり、その後、ユズやスダチに転作した。タバコを残しているのは買上げ金額が決まっていて売上げが安定するので、慣れればタバコにはいい面があるという。
しばらく前に芯止めしたのだが、その茎を回収しているところだった。
病原菌が土壌に蔓延するのを防ぐため、茎や葉を畑から出さなければならないのだ。
もう下から4枚の収穫が終わっているという。
いま黄色種では、部位を5段階にわけておらず、下葉と上葉を別に収穫し、その中間は区別していないというようなことを言っていた。収穫時に区別せずに収穫し、出荷前に分類するのかというとそうでもないようだ。
山奥なので畑は獣害があるのだが、タバコで困るのがシカなのだという。
葉を食べることはないのだが、夜な夜な現われてマルチを蹄で蹴破って畝を壊してしまうのだそうだ。
一体、どういう生態なのだ? 爪に詰まった汚れや寄生虫でも取れるのかな。
環流丘陵をひと回りして北側の鮎川へ。
こちらでもタバコ畑はすぐに見つかった。
やはり全体的に黄色い葉が多いように感じられる。
周辺の家々には立派な農家が多いがベーハ小屋だったような建物は見当たらない。
谷底平野に夕闇が迫ってきた。
これは谷の出口方面を見た風景。
いつか那賀川の環流丘陵をちゃんと紹介したいな。
(2010年06月12日訪問)