那賀町でタバコ農家に何軒か話を聞いたとき、阿南に共同乾燥所があるという話を聞いたのだが、具体的な場所がわからなかった。
先週、下大野の近原さんに話を聞いたときに施設の具体的な場所がわかった。きょうはその乾燥施設を見せてもらいに再び出向いてきたのだ。
これがその全景。
中央は屋根の高い荷受け場になっている。その左右両側に5基ずつコンテナバルク乾燥機を並べ、そのコンテナの上に屋根を載せている。
乾燥機は実質的に建物の外側に置いてあるという構造。
荷受け場の内部。
詳しい話は聞かなかったが、乾燥機は全部で10基なので何十軒もの農家を受け入れることはできないだろうと思う。かつては阿南だけで400戸ものタバコ農家があったというのだ。
養蚕の稚蚕飼育所がそうだったように、葉タバコが盛んだった頃には地域ごとに乾燥組合があったのではないかと思う。現在は農家の数が減って施設も集約されて、鷲敷や相生の農家もこの施設を利用しているのだ。
近原さんが収穫した葉を運び込んでいた。
ベンリークロスという専用のシートで包んである。
かつてはタバコ農家は個々にベーハ小屋を建て、それぞれが付ききりで火力乾燥をしていた。葉は連縄にかけてハシゴに登って吊っていた。そのやり方は阿波葉の乾燥室にその名残りが見られた。
次の段階で個人がバルク乾燥機を持つようになって、機械が自動的に温度管理をしてくれるようになった。
そこに分業が進み、タバコ農家は乾燥に携わることなく、組合の従業員が葉の吊り込みや乾燥管理をすることになったのだろう。
農家からすればひたすら畑だけをしていればよくなるので、より規模を拡大できる。
もちろん農家の仕事が減った分、組合は従業員を雇うわけで、給与や燃料代、管理コストが発生するから、農家は共同乾燥所に委託料を払うことになる。
具体的な額は聞かなかったけれど、ある農家さんは「けっこうな額を取られる」と言っていた。それはそうだろう。人を雇って、雇われた人はそれで生活するのだから。農業の大規模化とは、出て行くお金も大きいけれど売上げも増えるということだ。
近原さんがきょう納めたのは中葉20袋だった。
農家番号は2番となっている・・・。
スケジュール表を見ると、どうやら農家は9軒あるみたいだ。
事務所に人がいなかったので、詳しくは聞けなかった。
これは乾燥機に葉を吊るためのバインダーか。
乾燥機はウォークインで、見たところ「後入れ先出し」方式。
複雑な出し入れはできないので、バインダー単位にどの農家のどの部位というタグをつけて、同じ日に届いた葉は同じコンテナに入れていくのじゃないだろうか。
圧搾梱包機があった。
農家は葉をシートに包んで搬入するけれど、受け取るときはそのまま収納できる布バッグの荷姿になって戻ってくるのかな。
乾燥施設の周囲はタバコ畑になっている。
ここも阿部さんの畑だ。
乾燥施設の周りの畑だけで場所だけで50アール以上はありそう。
この場所は谷地の行き止りになっているので、少し空気が違う感じがした。
(2010年07月04日訪問)