阿南で揚水水車を見たあと、上勝町の樫原の棚田に来てみた。
徳島に転居してからちょうど1年が過ぎ、徳島県の地理もだいたい理解できるようになり、上勝町には水車小屋が見つかりそう、とい知見も持つようになっていた。
樫原の棚田は1990年に選定された平成版「日本の棚田百選」選定されている徳島県を代表する棚田だ。約5.5ヘクタールの耕作面積があり田んぼの枚数は546枚。棚田百選にはかなり小規模な棚田もあるが、樫原の棚田は規模が大きく、いわゆる千枚田に近い。
この場所にある水車小屋を紹介する前に、樫原の棚田をざっと見ておこう。
5月中に2回来ているので、田に水は張られている写真が混在するが気にしないでいただきたい。
ここは樫原の中でも一番下のほうにある、岬みたいに付き出した形状の畑。
ここは樫原を紹介するビジュアルでよく登場する。
なんか林業の索道が張られている・・・。
法面はほぼ石垣。
地質的には秩父帯で石には困らない。
細くて幾畝も植えられない田が多いが、よく耕作されている。
水を張って代かきをしている人がいた。
トラクターなどは入れないので、大変な作業だ。
上勝町というとマスコミによって「持続可能なゼロエミッションの村」とか「時代の先端を行く山村に全国の自治体から視察が!」みたいなキモチ悪いキャプションを付けて絶賛されているが、実際にそこでの生活は地道としかいいようがない。
水車小屋があるのも、棚田全体の中では一番下のあたりだ。
名前はGoogleMapsによれば「山の車屋」というらしい。
立地的には小さな谷川の近くなので、取水は難しくないし、実際上勝町の水車小屋はこういう場所にあることが多い。
でもこれが昔からこの場所にあった水車小屋を補助金でリニューアルしたのか、観光用にまるっきり新たに作られたものなのかははっきりしない。
なんとなく、後者のような気がする。
水のかけかたは上掛け。
軸は金属製で搗き臼╳2。
もう少し上のほうの棚田へ行ってみた。
一部土坡の棚田もある。
田んぼをのぞき込んでみたらたくさんのイモリがいた。
繁殖のために集まってきているようだ。
そういえば、イモリの生態ってよく知らないが、水がないときは蛙みたいに陸上にいるのかな。
(2003年05月10日訪問)