8月のお盆休み。少し遠出して高知県の大豊町に来ている。大豊町の精霊流しを見るためだ。
とはいえ精霊流しは暗くなってからなので、少し早めに到着して町内をフラフラしていた。最初に訪れたのは土佐街道の立川本陣跡。
その本陣前に水車小屋があった。
おそらく町おこしで造られた水車小屋だろうと思う。
山水の引水パイプで上掛けしている。
どうして観光水車って決まって上掛けするのかな。欲のかきすぎじゃないか。
道路きわの側溝を見るとかなりの量の水が流れている。8月にこの量ということはおそらく通年で水があるのだろう。
これほどの水量があれば無理に上掛けしなくても、もっと自然な感じで水輪に水を掛けられそうなものだが。
そもそも、本陣になぜ水車小屋を併設しなくちゃならないのだ?
予算があるから昔っぽいものを造って風情を出そうっていうような平成の雑な町おこしで、全国にたくさんの水車小屋が作られ、そして活用されることもなく朽ちていくのだ。
観光水車の見どころって、田園風景の風情とかじゃなく、合理性のない箱モノが活用されずに朽ちていくあだ花の悲哀なんじゃなかろうか。
すでに水輪が夏草に埋もれつつあった。
内部は搗き臼╳2、ひき臼╳1。
杵をはね上げる「撫で木」がやけに長いな。
鉄で補強してある・・・。どうしてこうなった。
ひき臼のギアには油が塗られた様子もなく、もしかしてほとんど使われていないのじゃないだろうか。
2021年にはこの水車小屋は取り壊されて更地になっている。
(2005年08月16日訪問)