神母谷の湧水

きれいに管理されている湧水。

(高知県仁淀川町土居甲)

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池川(いけがわ)町。

土居川のいくつかの支流が集まる、一種の渓口集落。かつては林産物の中継地として栄えた商業の町だったのだろう。町なかにはスナックなどもあり、かつての繁栄の残り香が感じられる。

UFO型の水銀灯がものすごく昭和。なぜ昭和の日用品ってこれほど切なく美しいデザインだったのか。

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その町外れに湧水があった。

地名は神母谷(いげだに)。「神母」は高知県でも屈指の難読地名だ。

ちなみにこの細い道路は国道494号線。

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湧水の前は池になっていて、鯉が飼われている。

池の回りも水底もきれいに清掃されているので、近隣の人たちがこまめに管理しているのだろう。

水舟は3つに分割されている。

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1番目の水槽には屋根が掛けられてる。

柄杓も設置されていて、基本的には人間の飲み水を酌む場所なのだろう。かつては街道を行く旅人がのどを潤したにちがいない。

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2番目の水槽は野菜を洗ったり、スイカを冷やしたりといった口に入るものを扱う洗い場だったろうと思う。

かなりの勢いで水が湧いているので、水槽の水口には水の流れがある。

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3番目の水槽はかなり広く、1坪くらいありそう。

もちろん本来は養鯉のための水槽ではなかったはず。想像だけど、洗濯場だったのではないか。

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湧水の隣りには立派な水切り瓦のある土蔵。

その奥には神社があった。

(2007年03月11日訪問)

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ムック – 2024/3/21
昭文社 旅行ガイドブック 編集部 (編集)
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