園瀬川の夜

夜の園瀬川に潜ってみた。

(徳島県佐那河内村下東地)

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八万町から園瀬川を少し上流に行ったところにある沈下橋

その橋へ下りていく道にカニ漁の注意看板がある。

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カニとは「モクズガニ」のことである。

基本的に川の魚を捕るには漁協に入漁料を払う必要がある。園瀬川の入漁料は、ウナギを捕るかどうかで料金体系が2段階あるが、実はモクズガニは入漁料の対象外の獲物なのだ。

それでも資源保護のためルールを守って捕りたい。

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沈下橋は、橋というよりも低い堰のような感じのものだ。

2009年8月9日、台風の増水で上流から流木などが流れてきて通水口をふさいだため、橋の上流にダム湖のような広い水域が出現した。

増水も一段落した8月13日、夜にその水域に潜ってみた。

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そっと水の中を覗いてみると真っ暗でちょっと怖い。

昼間には何度も来たことがあり、歩いたこともある河原が、夜来るとまったく別の場所のような感じがする。

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それでも魚影は濃い。

魚たちの多くは寝ているようだ。

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その夜の川底で活発に活動しているのがモクズガニ。

川と海を行き来するカニで、大きさは大人の拳くらいある。上海ガニとほぼ同種といわれている。夜行性なので昼間は見つけにくい。

右上にも一匹ひそんでいるな。

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根をかじっているのか。

モクズガニはいたるところにいる。

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カワムツ。

徳島の川でどこでも見かける非常にポピュラーな魚。

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テナガエビ。

川のごちそうだ。

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シマドジョウ、かな。

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カマツカ。

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ニゴイ、かな。

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オイカワ。婚姻色が美しい、川の貴婦人。

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ギギ。

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ギンブナ、かな。

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コイ。

この日はウナギも見かけたが、動きが速く写真は撮れなかった。

昼間、何度も橋の上から川面を見つめた場所だが、やっぱり水中から見ると見えるものが違うなぁ。モクズガニがたくさんいたのには驚いた。

(2009年08月13日訪問)

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