番所屋敷・生実小学校分校跡

かつてこれほどの山奥に人が暮らしたのだ。

(徳島県上勝町生実雄中面)

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アメゴのいる滝つぼから少し奥に入ったところに人の暮らした痕跡が残っている。

なんでさらに奥地へ入っていくかというと、実は私はこの場所を訪れるとき神山町役場のあたりから林道を登り、剣山スーパー林道の峠越えでアクセスしているからなのだ。

つまり私にすればここは滝つぼより手前にある場所ということになる。

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ここは現在でもかなりの山奥。でもここにかつて人が暮らしたことがあったのだ。

生実小学校分校跡という看板がある。

明治末~戦後にかけておそらく造林と林産物の搬出のためにかなりの人々が家族でこの山奥に住んだ時代があったのだ。

また、明治以前この地域は徳島藩の御林(おはやし)で番所も設けられていたようだ。

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現在残っている建物は「殿川内製材所」の跡ではないかと思われる。

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建物はけっこうある。

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かつて勝浦川の源流部には森林鉄道が通っていた。起点は福原付近で、終点は蛇淵付近だったようだ。

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奥山から搬出された木材をここで製材してトロッコに積み替えていたのかもしれない。

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建物の所有は長尾産業。

現在もつづく徳島県最大の山林地主である。

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事務所。

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かなり立派な建物だ。

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トイレ。

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便器もないし、これって、いつくらいの時代なんだろう。戦前か。

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建物はわりとしっかりしている。

現在も何らかの管理がされているのかもしれない。

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取るに足らない小屋だけれど、かつてここで働いた人たちがいたという記録のために、すべての建物の写真を撮っておくことにした。

(2006年08月31日訪問)

はじめての暗渠散歩: 水のない水辺をあるく (ちくま文庫)

2017/11/9
本田 創 (著), 高山 英男 (著), 吉村 生 (著), & 1 その他
失われた川の痕跡を探して散歩すれば昔の風景が現れる。橋の跡、コンクリ蓋、銭湯や豆腐店等水に関わる店。ロマン溢れる町歩き

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