旧吉野川下流の掘割

旧吉野川左岸に残る、河岸を思わせる街道。

(徳島県鳴門市大津町徳長東浦ノ越)

徳島から淡路島を経て神戸まで続く国道28号線。徳島県内では国道11号線の裏街道みたいなイメージで、どちらかというと裏道だ。その国道が旧吉野川河口部にかかる大津橋を渡河するあたりに旧道が残されている。

おそらくかつて吉野川には渡船があったのではないかと思われるが、その街道から50mほど東に架橋されたため、本来の街道は取り越された形になっている。吉野川の前後で旧道を辿ることができるが、右岸は郊外店の駐車場の裏手になっていたりしてまったく風情がない。

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一方で、左岸にはまだ古い街道の雰囲気が色濃く残っていて、鳴門方面からの帰り道でたまに入ったりするのだ。

この写真は街道が吉野川の堤防に突き当たる場所。丸ポストがあることからもここが往来だったことが想像できる。

➡ 場所

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道ばたには千手観音の石仏がある。西国32番と彫られていることからこのあたりにあるミニ霊場の札所なのだろう。

➡ 場所

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この街角に、ものすごく風流な掘割がある。

➡ 場所

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豪農の館だ。

もしかしたらかつては河岸問屋なども営んでいたかもしれない。

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家並は100mほどだけれど、ちょっとした水郷の景観だ。中々これだけの風情ってないと思う。

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このあたりにはうなぎ屋が目立つ。

左側の「堤淡水」は鰻問屋だ。料理屋の店舗もある。

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街道から少し外れると一面のサツマイモ畑が広がる。

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サツマイモ畑の中にもたくさんの水路が廻らされている。

ほぼ河口部のためか異様に水位が高い。ガードレールもないので路肩を見誤って脱輪したら大変なことになりそう。

➡ 場所

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このあたりの水路の壁面は木製のくいとスレート波板で作られている。

水の流れもあまりなくて水は淀んでいるから、それほど美しく感じる水路ではないけれど、いまどき木のくいにするのってどんな理由なのだろう。コンクリの柱より施工しやすいのかな。

(2009年08月23日訪問)

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ムック – 2022/7/25
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