照尾八幡宮の古井集落から国道に降りてきたところに茶堂があった。
名前は古井地蔵堂。
このお堂は面白いことに道路に背面を見せて建てられている。
廻りの地形を見るに、ここはもともと古井集落への入口のヘアピンカーブだった場所に国道が直線で突き抜けるように建設されたのだろう。
美郷村はかなり山深いソラの村だが、この国道193号線のおかげで車で行くにはノーストレスなのだ。
田中角栄時代の内閣官房、後藤田正晴が美郷村出身で、そのおかげで広い道路が整備されたというもっぱらの噂で、地元では「後藤田道路」と呼ばれている。
お堂の正面に回り込んでみた。
軒先から半鐘が吊るされている。もしかすると過去にこの場所に火の見櫓でもあったのかもしれない。
建物は見たところ新しく、戦前か、行っても明治くらいだろう。
丸桁の隅の納め方が面白い。角を45度に切って合掌してある。
内部の様子。
壁はあるが、全体が開放的な格子窓で、基本的には吹き放ちに近い。
間取りは3間╳3間で、奥の中央1間に厨子を置く。
本尊は木像の地蔵菩薩立像。
左側の像はたぶん毘沙門天、右側は不動明王かな?
茶堂の仏像としては大げさな感じだから元は寺があって、そこに祀られていた仏像なのかもしれない。
茶堂の横には緑泥片岩の板碑が並んでいる。
これも別の場所にあったのを国道の建設時にここに寄せ集めたのだろう。
(2002年11月10日訪問)