文化の日の三連休。
どこにも行く予定がなかったが、もったいないので思い立って石鎚山へ出かけてきた。徳島市内からは高速道を使えば2時間ちょっとで来られる場所だが、これまで一度も来たことがなかった。
石鎚神社へ向かう県道142号線を走っていたら、巨大な宿坊のような建物があった。
極楽寺という看板が出ている。
どうやら石鎚神社から神仏分離で分かれた別当寺らしい。まずこのお寺にお参りしていこう。
広い無料駐車場はあるが、車はガラガラ。ほとんど参拝客はいなさそう。
境内は県道沿いの山麓伽藍と、石段を上り詰めた山上伽藍に分かれていて、堂宇はかなりありそう。
駐車場からは長い石段が続いている。
伽藍配置図を見ると、石段のほかに女坂みたいなルートもあるみたいなので、登りは女坂、下りは石段としよう。
まず山麓伽藍の本堂ともいえる蔵王殿へ。
向拝には天狗の面が奉納されている。
内部は内陣が高くなった見慣れない構造。
入口には一本歯の鉄下駄が奉納されていた。
蔵王殿の右側には御供所があり、2階建ての堂へ繋がっている。
このお堂は歓喜天堂だった。
歓喜天は秘仏だが、後ろに歓喜天の曼茶羅が掛けられているのが見える。
歓喜天堂からさらに進むと、大師堂がある。
内部に祀られているのは秘鍵大師という珍しい姿の弘法大師。
その横には滝行場がある。
滝の名前は「不動ヶ滝」。
脱衣所などはないが、目隠しもあり、実際に滝行できそうな雰囲気だ。
大師堂の裏手からはモノラックがあった。山上伽藍へ日用品を運ぶためのものだろう。
実は山上伽藍へ行く車道もあるのだが、山麓からは10kmもの遠回りが必要なのだ。ちょっとした運搬に往復20kmは面倒すぎるからモノラックを設置しているのだろう。
大師堂の先には伽藍配置図でいう「浄心堂」、「清龍堂」という堂宇がある。
何の堂宇なのかはよくわからないが、一般的な呼称では「三昧堂」的なものではないかと思われた。
そこから女坂を登っていく。
宿坊の裏側には茶室の「三帰庵」がある。
男坂の石段の途中に出た。
茶室に気を取られて、伽藍配置図の女坂から道を外れてしまったようだ。
男坂の途中には総門の向唐門の四脚門がある。
四脚門から先は男坂の石段を登った。
石段は下りのときに数えてみたら、300段強はある。
一気に登ったらけっこう大変だ。
石段を上り詰めると山上伽藍の山門の薬医門がある。
境内は谷底の県道からだいぶ高くなっている。
山門の正面には本堂。
本堂の右側には方丈、そのさらに右側に庫裏。
本堂の左側には六角堂の地蔵堂。本堂の前には鐘堂があった。
鐘堂の横にはお百度カウンターがある。
本堂はまだ新しい建物だが、丸柱で内陣を囲った意欲的な設計。
内陣の天井を虹梁として蟇股を置いた造りは、以前、高知県仁淀川町で見た木本神社と同じだ。これはイレギュラーな造りではなくこうした様式なのだろう。注意して見ておこう。
内陣の外側が下屋のような構造になっているのも木本神社と似ている。
香時計があった。
本堂内の愛染明王像。
本堂の左側には六角堂の地蔵堂がある。
地蔵堂内部。
境内の左の端に無縁塚がある。
墓石は比較的新しいものが多いが、舟形光背の僧形の墓石に年代を感じさせるものもある。
帰路は男坂の階段を下りた。
男坂の途中にあった鎮守社の稲荷社。
(2008年11月02日訪問)