石鎚山・石鎚神社

四国を代表する霊山にして最高峰。いつか登りたい。

(愛媛県西条市小松町石鎚字上黒河)

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いよいよ石鎚神社の本社へお参りする。

ロープウェイの山麓駅のあたりまで来てみると駐車場は満杯に近く、川の対岸の駐車場にやっと停められるという状態だった。

この場所には石鎚山温泉という名前の旅館や土産物屋街がある。ただこれは伝統的な宿坊街というのではなく、ロープウェイが開通してから発生した駅前商店街的な門前町なのではないかと思う。ロープウェイ以前の徒歩の登山道はこの場所ではないからだ。

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川の対岸の駐車場からロープウェイ駅までにはアーケード街があって、両側にうっとりするような土産物屋が並ぶ。

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いいよねぇ、寺社の土産物屋街って。すっごく気分が高揚する。むしろ寺社の建物よりも仲見世のほうが好きかもしれない。

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民間薬の陀羅尼助が売っていた。

基本的には奈良県の民間薬だと思われるが、修験関係の他の地域でも手に入るようだ。

正しい読みかたは「だらにすけ」だが、この値札のように「だらすけ」と呼ばれることもあるという。

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ときどき門前町で仏像売ってるけれど、気が大きくなって買っちゃう人がいるってことなんだろうな。

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温泉旅館の入口。

ちょっとお寺っぽい。もしかして宿坊なのか。

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そこから50mほど離れた駐車場の中に、石中寺西之川別院というお寺があった。これは土産物屋とは別。

石鎚神社を紹介するといっても、その周囲にある宿坊や別当寺などはどこまでが独立した宗教法人なのかもよくわからないので、この稿でひっくるめて紹介していく。

土産物屋街の中に、ロープウェイ駅への登り口がある。

なんだかこじんまりとしていたので、別の場所に正規入口があるのかと思って写真を撮り忘れた。

石段に屋根が付いているのは、山頂にスキー場があり、積雪のあるときでもロープウェイに搭乗する人への便宜だろう。

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石段を登るとすぐに法起坊堂という仏堂がある。

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法起坊堂を過ぎると斜路が続く。

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このあたりにも土産物屋街があるのだが、開いていなかった。

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アーケードがある場所は土産物屋に見えるけれど、実は2階建てのお寺。

1階には三宝荒神堂がある。

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このお寺の2階は「石槌教奥の院」となっている。

「奥の院」ってことはお寺なんだろう。神社なら「奥宮」だろうからな。石鎚神社の奥宮は、石鎚山山頂にある「頂上社」という社殿が場所がそうなのだろう。

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この石槌教奥の院には役行者を中心としたジオラマがある。

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手前に座っているのは役行者の仙人像。一般的に役行者の脇侍は前鬼、後鬼だけれど、ここでは単独で祀られている。その後ろに烏天狗、蔵王権現、大天狗がいる。

最上段にいるのは石鎚毘古命(いしづちひこのみこと)という神像。一般的に神道では神様の形を像として表現することは珍しいが、石鎚神社は神仏混淆だったので像もあるのだ。3柱の神がいるという意味ではない。持物(じぶつ)に剣、玉、鏡という違いがあり、3種類のポーズでそれぞれに神徳を表現している。

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ここを過ぎるとロープウェイの山麓駅。

その前にも土産物屋。

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ロープウェイは古来からの徒歩の参道の上を通っているのはなく、急斜面で最短距離の場所に建設されている。

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形式は三線交走式とある。

架線を見るとゴンドラを走行させるレールとも言える主索の下側にやや細めの2本の架線が見える。だが、主索+2本の架線=3線という意味ではなさそう。

これまで見てきた私設の複線交走式索道では、曳索はエンドレスラインで、環状になったケーブルに固定された2台の搬器を1台の動力で前進させている。だが山岳ロープウェイの場合は、つるべ井戸のように下る側の搬器の重さを利用して登る側の搬器を引き上げるので曳索は山頂側にしか必要ない。だが山頂側から下りケーブルを降ろすのにはテンションが足らずに安定がわるいため、下側からも搬器を引っ張ってやる必要がある。そのために下側に引っ張る架線を平衡索という。

この3つの架線、つまり主索、曳索、平衡索のことを三線というのだ。

曳索と平衡索が2本づつあるのは、万が一断線したりしたときのフェイルセーフだろう。

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このロープウェイの下に、別に索道のようなものが見える。

山頂での食料品などはロープウェイで運ぶと思われるので、工事用の資材で鉄骨とかセメント等ロープウェイに入らないものを運び上げるものだろう。こちらは曳索がエンドレスラインのシンプルな索道のようだ。

ただ、乗用のロープウェイと同じ程度の長さがあるとすれば1,800m級の索道であり、これまで見てきた貨物索道は100~200m程度だったからケタ違いの規模。

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ロープウェイ山頂駅を降りると、前神寺奥の院という別当寺がある。

このお寺は、さきほど訪れた極楽寺とは別のお寺のようだ。別当寺がいくつもあるのである。

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神前寺の裏手のほうには石鎚成就スキー場というスキー場がある。そしてリフトは夏季でも運転しているのだ。

このスキー場のリフト山頂駅は石鎚神社の中宮と同じくらいの標高なので、リフトを使うと中宮までがラクになる。標高差は100mほどだから、徒歩で登山してもどうということはないが、せっかくだから登りだけリフトを利用することにした。

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山頂駅から見おろした神前寺やロープウェイの駅。

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周囲の紅葉が素晴らしかった。

四国の山は人工林が非常に多く、こうした鮮やかな紅葉が見られる場所は貴重なのだ。

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石鎚神社の中宮はちょっと鞍部になったような場所にあるから、スキー場の山頂のほうが見晴らしがよい。

瀬戸内海までが一気に見通せる。

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リフト方面から境内に入るところにあった案内図。

なんかスケール感と方向感覚がメチャクチャだから参考にならないのだが、中宮地区には玉や旅館、日之出旅館、白石旅館という3つの宿坊があるということはわかった。

せっかくなので展望所のほうを回って行ってみよう。

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展望所から見た石鎚山奥宮方面の尾根。神々しい山並みだ。

奥宮までのルートには一の鎖、二の鎖、三の鎖と3ヶ所のくさり場があって、それぞれに山小屋があるので場所がここからもわかる。

中宮から山頂までは2時間半~3時間と言われているのでいつか登ってみたいが、残念ながらきょうはもうちょっと時間が遅い。

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中宮の境内に入ってみたら、なんか行者さんがいっぱい!

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きょうはもみじ祭りの最終日で、閉山式が執り行われていた。

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餅投げもあった。

取れなかったけれど、信者さんが分けてくれてひとつ持ち帰ることができた。

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みんなほら貝持っている。

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私はこのころ、ちょっとほら貝ブームが来ていて、マイほら貝を買おうかなと思っていたので、どうしても気になってしまう。

お願いしてお借りして試しに吹かせてもらった。ますます欲しくなってしまった。

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小さな行者さん!

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引敷(ひっしき)(尻当て)にタヌキの毛皮を下げているのがかわいい。

話を聞いたら、引敷は本来はシカの毛皮がいいのだそうだ。でも本式の引敷は高価なものなので子ども用にタヌキの毛皮にしたとのこと。シカの毛皮のほうが防水性や耐久性が高いということだった。

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石鎚神社の中宮は「成就社」という。

社殿は右側から左側へ、本殿、八大龍王社、遥拝所、神門となっている。

神門は奥宮への登山道への入口だ。

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中宮の土産物屋街。

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3軒ある土産物屋はすべて営業していた。

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看板に神具、仏具、ほら貝ってある!

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キーホルダーや数珠。

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法衣も売ってる。

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そしてほら貝も!!!

買うかな、どうしようかな、かなり迷った。

でもギリギリのところで思いとどまった。さっき立派なほら貝を吹かせてもらったので、もっと良いものが欲しくなったのだ。

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成就社の本殿。

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遥拝所。

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遥拝所とは、ご神体である山や、末社から見た本社などの方向を拝むための設備だ。

ここは、これまでに見た遥拝所ではもっとも豪華。

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建物の奥がガラス窓になっていて、山頂をくっきりと拝むことができる。

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遥拝所の左側にある神門。

八脚門の中門である。

中宮の境内から奥宮へ行く登山道の入口がここだ。

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神門からは一度鞍部を下って、登り返すようなルートになっている。

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このルートも紅葉がきれいだった。

いつか石鎚山の山頂には行って見たいな。

(2008年11月02日訪問)

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