鞍掛橋

バーベキュー場の中にあるが、昔からある実用橋。

(埼玉県東松山市上唐子)

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正月早々、嵐山(らんざん)のあたりに来ている。年末までやっていた渋沢栄一のNHK大河ドラマのゆかりの地をいまごろになって訪ねているのだ。

昼ごろになって出かけてきたから、大して色々行かないうちに夕方になってしまった。

帰り際、都幾川の沈下橋の鞍掛橋を通った。稲荷橋から2kmほど上流にある橋だ。

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取り付け道路は高水敷を通っている。このあたりは両岸に河岸段丘が迫っているから堤防もなく、都幾川が増水すればいとも簡単に道路まで水が乗るだろう。

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橋のたもとにある川遊び用のトイレも冠水前提。地表からトイレの床まで2m弱持ち上げてある。

河川敷に基礎のある建築を建てるには国の許可が必要。この場所は県が推進した川の再生事業のプロジェクト地なので特別な許可を得ているのだろう。

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橋の両側には車止めがあるが、幅は2m以上あるので乗用車ならワンボックスカーでもストレス無く通行できる。

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もちろん橋の上での離合はできないので、対岸を見通して進入しなければならない。

欄干がほとんどない、正真正銘の沈下橋だ。

周囲はバーベキュー場なのだが、そうなったのは最近で橋自体は戦前からある実用橋。

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市役所が立てた看板には「冠水橋」と書かれている。

稲荷橋の看板には「沈下橋」という用語が使われていたが、行政から見て何か違いがあるのだろうか?

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鞍掛の名前の由来は写真背後に見える山のシルエットが鞍をのせたように見えるためともいう。

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実用橋なので交通量はけっこうある。

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ここは公園施設なので、今後大きな堤防ができることもなく、抜水橋に架け変わる可能性も低い。

将来もこうした懐かしい風景が見られる場所だと思う。

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橋の少し下流に飛石があった。

川遊びをする人が交通量の多い鞍掛橋を渡らなくていいように設置されたものだろう。

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もちろん実用飛石ではなく、税金で作られた観光施設だ。

(2022年01月02日訪問)