次なる目的地は青山堰。
観光向きの堰でもないし、釣り場でもないので行き方もよくわからない。とりあえず下流にある
万世橋から見た下流の川の様子。床止め工が見える。万世橋に車を置いたのは堰だけでなくこの床止め工も見ておくため。もしかしたら上を歩けるのではと思ったのだ。一応両岸に階段があるので、歩けないことはないけれど、地域住民が便利に利用するというのでもないし、川遊びできるような場所でもなかった。
右岸に歩ける場所があるのは川の再生プロジェクトで整備された親水遊歩道。
目的地の青山堰は万世橋の上流方向にわずかに見えている。
万世橋から青山堰までは左岸の崖上を通れる。
この道も川の再生プロジェクトで整備された歩道。
これが青山堰。
全体的に均一なコンクリの斜面でできた頭首工で、右岸に取水口と水吐き、左岸に小さな砂吐きがある。右岸から取水した用水は、先ほど氷川神社の参道で流れていた用水路だ。用水の名前は調べられなかったけれど青山堰から取水しているから青山用水なんだろうな。
私はもともと頭首工なんて興味なかったのだけど、こうしていくつも堰を見てくるといつのまにか嗜好ができてきて、こういうタイプの堰が好きなのだとわかった。都幾川の関根大堰と似た印象、こちらのほうが大規模だが。
水流の9割方は取水口の余水吐きから排水されているが、堤体も濡れていてかなり広い面で越流している。
法面の傾斜は目測で45度、高さは3m。
ここは魚が遡上しにくそう。ウナギは登れるかもしれないが。
水吐きは滝の落差が1m弱なので、水量が多いときなら魚が登れるのじゃないだろうか。
とはいえ100匹の魚が来て100匹通過できるというわけでもないだろうから、遡上の障害であることは間違いない。ここの落差をこの半分にしておけば魚道がなくても遡上の障害にならなかっただろうに・・・頭首工の設計者の考えることってよくわからん。
市野川の荒川合流地の落差工なんて、魚止めが目的で知恵を絞ったの？と思うほどなんだよね。
左岸側には目測1.5mほどの砂吐きがある。
堰板がしてあるので水量は少なく、排水路の部分を歩いて通過できた。
その先の堤体上も水はあるもののそれほどの重装備でなくても歩ける。
一番の難関は右岸の余水吐き。
ここもは目測1.5mほどの幅だから軽快な履物ならばジャンプできるが、堤体上を歩くのにサンダルやゴム長などを履いて来るとここはジャンプしづらい。かといって、水の中を歩くのもちょっと危ない・・・。
でもおおまかに言えば、歩いて渡れる堰と言っていいだろう。
堰の上流側の様子。
水面は広いが、全体的に浅く砂が堆積している。
堰の下流側の様子。
この場所から上流には矢岸歩道橋という見どころのあるトラス橋があるが、その物件については2005年に書いているので飛ばして、次は腰越の流れ橋群を見ていく。
（2022年10月25日訪問）