
玉作新田の集落の中心に広場がある。名前はおそらく「洗濯場公園」。むかし用水に洗い場でもあったのか。
辻堂もある。村の信仰的な行事が行なわれた場所なのだろう。

公園といっても柵もなく、遊具は滑り台とベンチがあるだけ。

滑り台は太鼓雲梯と一体化している。こうした滑り台は太鼓雲梯を登らないと滑れないものもあるが、この滑り台はちゃんと背後に階段がついている。
しかも太鼓雲梯を登ることも想定していて、最後のところに手すりとアーチがある。

太鼓雲梯は正円のアーチ。その上に取り付けられた手すりも正円で造形されていて幾何学的な美しさがある。

辻堂はこの場所になければ農具小屋かと思うような質素なもの。

中を見ると地蔵菩薩が祀られていた。
ノボリも新しく奉納されていて、信仰が守られているのがわかる。
左隅には行灯が並んでいるが、「氏子中」と書かれているだけで絵などはなかった。

地蔵尊は幾重にも布がかぶせられているが、どうやら木製の座像のようだ。

お供えはダンゴと生米。

辻堂の横には石仏がある。
舟形光背の2体は如意輪観音、右側の上部が欠けているのは地蔵菩薩だ。地蔵菩薩の下のあたりをよく見ると、跪いた人が彫られている。このときは気づかなかったが、これは閻魔大王によって地獄行き判定されつつある罪人を地蔵菩薩が救済に来ている場面では? 今度このあたりに行くことがあったらもう一度確認してみよう。
(2022年10月29日訪問)