
陸前高田の市街地に入る。
駅や市役所がある中心街は広々とした扇状地だが新しい土地のようで古い寺はなさそう。古い町並みは気仙川の西岸のわずかな平地にあって、港町特有の狭い地割にひしめくように民家の屋根が連なっている。

金剛寺、気仙成田山はそんな港町の町並みの中にある。

参道の突き当たりには三間一戸楼門。左右に仁王像を収納した部屋があるので、1階部分だけみれば五間一戸の門という言い方もできるかもしれない。
仁王像を見てみよう。

これが吽形。なんか‥‥ゆがんでる。

これが阿形。
こっ、怖いよ~。
諸星大二郎の漫画に出てくるヒルコの世界の仁王か?
そうとしか形容できない。

楼門を裏側から見たところ。

本堂。
境内には堂は多い。

本堂の左側には宝形の位牌堂。

本堂の右側には庫裏。

境内の右側の石段を上がった突き当たりには不動堂。
手前の建物は光輪館、信徒休憩所か。

石段の途中には聖天堂。
後ろには庫裏と本堂が見える。

伽藍配置は下図のようになっている。山腹にやたらめったらお砂踏み霊場がある。右端から坂東三十三ヶ所、西国三十三ヶ所、四国八十八ヶ所、秩父三十四ヶ所。全国の観音霊場が一気に巡れるというゴージャスさだ。

坂東三十三ヶ所は階段の石段がお砂踏みになっている。

1段1段がひとつの札所で横に並んでいるから、うまく考えて足を運ばないと踏みそこねてしまう。

西国三十三ヶ所は石仏が並んでいた。その前に踏み石がある。

石像の前にプレートがあり、その中に各お寺から持ち帰った砂が埋め込まれているのだ。

不動堂付近からは境内が一望できる。
背後に杉山を背負った落ち着いた感じの境内に西日が差し込む。そろそろ旅も終わりに近づいてきた。
2011年の東日本大震災の津波被害でこのあたりの風景は一変してしまっている。金剛寺も100mほど離れた、もう少し標高の高い場所に移転した。
(2000年10月07日訪問)