蛇穴山古墳

小学校の庭にある円墳。横穴式石室が開口。

(群馬県前橋市総社町総社)

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蛇穴山(じゃけつざん)古墳。宝塔山古墳から歩いてすぐの、総社小の校庭にある円墳。

直径は40mほど。

ところで、古墳や富士塚の写真を撮るのには苦労する。木が生えていると墳丘が映らないからだ。肉眼だとわかる墳丘も、写真にすると左のようになってしまう。

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横穴式の石室が墳丘の下部にあり、気軽に見学することができる。

私が子供時代に住んでいたアパートからも近く、いちばんよく遊んだ記憶のある場所だ。冬に石室に溜まっていた落ち葉を掘り起こして遊んでいたら、コウモリが出てきて捕まえたことがある。生きたコウモリを触ったのは後にも先にもあの時だけだ。

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石室には羨道はなく直接玄室が開いている。羨門は石柱の上にまぐさ石を載せた造りで、まぐさ石には仏教寺院の虹梁にあるような彫り込みが見られる。 

石室内部は一坪くらいの広さで四方の壁、天井が一枚石でできているのにはびっくりする。そして突き当りの壁には蛇のような模様が彫り込まれている。

この古墳は「日本書紀」に書かれた上毛野田道(かみつけぬたみち)の墓だという伝説がある。田道は仁徳天皇の時代に新羅征伐で名を上げた人物で、蝦夷との戦いに派遣されて現在の宮城県石巻付近で戦死したと伝えられている。その後、蝦夷がこの総社一帯を襲撃したことがあり、田道の墓も蝦夷によってあばかれそうになった。そのとき墓から大蛇が出現して毒気を吐き、蝦夷はことごとく倒れて地面は死体で埋め尽くされたのだそうだ。

(2002年05月05日訪問)

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