願成寺。JR一ノ関駅の南500mほどの丘陵にある寺。
裏山には霊園があるためか、墓参の人々の車で駐車場がごった返していた。警備会社のガードマンが交通整理をしている。
山門は1998年製でまだ出来立ての三間一戸楼門。軒の深い本瓦葺き、意匠は和様を基本とし一部唐様。2階に花頭窓を配しているのが特徴か。(背面は1階にも花頭窓。)
江戸期の仏教建築から毒を抜いて、妥当な部分だけで再構成したような建築だ。頭から足の先まで「これが順当な仏教建築だろう」という意匠で固めてある。よく言えば非常に堅実な造りなのであるが、悪く言うとガードが堅すぎて色気が感じられない。千四百年続いた日本仏教建築のデザインの行き着いた結論がこういう色気のない建築だとしたら少し切ない。
本堂は千鳥破風向拝の銅版葺き。
本堂の前には大きなまわり場があり、その中央には小さな鐘つき堂が置かれていた。
まわり場の様子。
奥には玄関、庫裏、鐘楼が見える。
本堂の左側には不動堂。これはRCの建物だ。
不動堂の横には小さな成田山の祠があった。
裏山の墓地には、一関城主伊達宗勝の墓所があると案内板に書いてあった。
(2001年08月13日訪問)