法山寺

山門には黄土色の異様な風神雷神がいた。

(宮城県石巻市湊鹿妻山)

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石巻市街地の東側にそびえる牧山。その牧山を貫くバイパスのトンネルの入口のあたりにあった寺。

牧山へと登る道路に面して石門があり、参道が続いている(左写真)。こういう雰囲気の寺なら、たとえ堂塔がたいしたことがなくても、とりあえずは立ち寄りたくなるというものだ

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山門は八脚門の仁王門。

ただ、八脚門というのは微妙なところで、薬医門を改造して八脚門ふうにしたようなフシもある。

それは内部に仁王を納めるためだ。

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そしてこれが仁王。

風神、雷神である。

あえて文章にして追い討ちをかけるまでもないのだが、すごく変。

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確かに、俵屋宗達の風神雷神図なども、よく見れば変な漫画みたいなものなのだが、漫画が立体化されると絵画とは違った異様さが生まれる。「忍者ハットリくん」のステージショーの着ぐるみが不気味なのと近い感覚だ。

特に色と“てかてか"したテクスチャが変なのだろう。この像が落ち着いてなじむまでにはまだ100年くらいはかかるだろうと思う。

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本堂は一段高いところにあって立派な石垣が築かれている。

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本堂は今回の旅でよく見た形式。

つまり軒が高くて、向拝が軒の下に納めてあるという作り。

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本堂の前には大きなまわり場。

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境内には他に鎮守社(左写真)、水盤舎、庫裏など。

(2001年08月15日訪問)