香川県の細道めぐりをしていたときに見つけた松原辻時計を再訪した。
場所は旧引田町の郊外のあまり車通りのない交差点。
交差点の近くにある庚申塔。
なぜかブラシや箒が奉納されている。
『松原時計台』と銘が彫られており、平成9年の完成とある。高さは3mほどで、白御影石とステンレスでできている。
この辻時計を発見したのはしばらく前になるが、夕方になると時計に明かりがともるので、あえて夕方を狙って再訪したのだ。
裏面も同じようなデザインになっている。
明かりがともった状態はまるで常夜灯のようでかなり風情がある。
平成9年製とは書かれているものの、あまりにも気になったので今回は近所の人に話を聞いてみた。
すると辻時計はもともとは交差点の反対側の角にあったのだが、交差点を拡げるときに邪魔になるので撤去したのだという。
写真の矢印のあたりに元々はあったのだそうだ。
辻時計再建は市の予算で行われたという。
辻時計がいつごろからあったのかはわからないが、戦前からはあったろうとのことであった。60代くらいの人ではもうわからないようだ。形は今の辻時計の上部の五角形の覆いがないような形状だったという人もいれば、本体は石材ではなく鉄製だったという人もいてはっきりしない。
辻時計を撤去したという土建屋さんの奥さんが、旧辻時計の残骸がどこかに転がしてあったと言って、資材置き場を探してくださったが結局見つからなかった。
この辻時計は再建前には近隣ではよく知られていて、タクシーに乗ったときには「松原の時計台まで」と言えば通じたのだそうだ。
未確認とは言え、おそらく松原辻時計は戦前の物件であろう。重要なことは、道路拡張などで撤去された辻時計が再建されることがあるという事実が確認できたことだ。
今後は新しい辻時計であっても、再建の可能性を考慮して調べてみる必要性がでてきた。
(2006年01月01日訪問)