宝珠院

六角鐘楼門はツイン梵鐘と相輪付きの意欲作。

(愛知県西尾市吉良町吉田石池)

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宝珠院。国道を走っていると、路地の間に相輪のようなものが見えた(左写真)。寺に入ろうと思って、間違って隣の正覚寺に入ってしまったのだが、あらためて宝珠院へと移動した。

国道を自動車で走っていて、左写真のような風景を見たら、思わず吸い込まれてしまうのは、寺マニアの性というものであろう。

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参道を進んで境内に近づくと、塔のように見えたその建物は、鐘楼門らしきものだということがわかった。しかもまだ出来立てで、完成してから2~3日しか経っていないような感じだ。

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建物はかなり異質である。平面は六角で、正面の1間には貫(ぬき)がなく通り抜けられるようになっている。手前に金剛力士像が立っているのを見ても通り抜けることを前提とした門の機能をもっていることは明らかだ。六角形の楼門とでも言えばいいか。

使われている材料や意匠は伝統的であながら、機能としてはまったく伝統から外れた使い方をしている。悪く言えば“天の邪鬼"なのだが、伝統を使って伝統を打破することを狙った意欲は評価したい。

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下から見るとさらに意外な構造が目に飛び込んでくる。

なんと梵鐘が2つ吊るされているのだ。

とことん侮れない。

右側が「慈悲の鐘」、左側が「知恵の鐘」というそうだ。

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門を過ぎると本堂がある

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本堂の右側には玄関(左写真)、庫裏、その奥には書院かなにか別の建物の棟が見えた。

玄関の前には青銅製の聖観音像がある。6mくらいはあるだろか。大きな像だ。

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本堂の左がわには、方2間、宝形造の忠魂堂。

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内部には写真が飾られている。

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本堂の左には草切観音堂。この堂は今日が落慶のようだ。もしかしたら鐘楼門もこの日が落慶式だったかもしれない。

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境内には他に水盤舎があった。

(2001年11月23日訪問)