東禅寺。楽音寺から県道を南下したところにある寺。
私は寝るときに見る夢で、実在するお寺にお参りする夢を見ることはあまりない。だから最近になってこのお寺にもう一度お参りする夢を見たことは妙にはっきりと覚えている。逆に現実にこの寺にお参りしたときの記憶はとてもあいまいで、仏像を見に行ったはずなのに、仏像を見た記憶すらないのだ。いまや東禅寺の記憶はどこまでが現実で、どこからが夢なのか自分でもはっきりしなくなってきている。
寺の仏像などの記憶がない理由は、本堂を案内してくれた大黒さんの話に聞き入っていたからだ。
東禅寺の先代の大黒さん、つまりいまの大黒さんのお姑さんは91歳になる霊能者で、先代住職が若くして亡くなったあと、祈祷をして寺を支えてきた人なのだそうだ。東禅寺は檀家がなく、この日も乞われて市外に祈祷に出かけているとのことだった。
お姑さんはとても体が弱くて、少し風が吹けば風邪を引くと言って先に薬を飲んで待っているような人だったのだが、それが写真の弁天社で夜中に1ヶ月のあいだ水垢離をした結果、観音さまが降りるようになり、また、仏おろしもできるようになったのだという。
信者が悩みなどを抱えていると観音さまを降ろしてお告げをしたり、仏おろしでは先祖の霊がもっと墓参りに来るようにと告げたりするのだそうだ。
本尊の十一面観音の前仏。本尊は秘仏で行基が作ったという伝説があるそうだ。
この観音さまを見ながら、仏おろしの様子などを聞いたのだった。おかげで仏像のことはほとんど記憶がない。
四天王は鎌倉時代末期の作で県重文。比較的大きな像で、四体きれいにそろっている。
左、毘沙門天。
右、広目天。
左、増長天。
右、持国天。
庫裏は居蔵造り。
庫裏の横に護摩堂かと思われる堂があった。内部には六観音が祀られているそうだが、家財置き場にもなっていそうな様子。
私が見た夢は、この堂にあがらせてもらうという内容だった。
境内の西側の山中には神社があったが、少し疲れていたので参詣はしなかった。
(2002年08月27日訪問)