そろそろ夕方になりかけ、体力的にも疲れが出てきたとき、山の中腹にかなり変な建物が見えた。
どうも観月舞台か割拝殿のようだ。このままでは今日中に秋間丘陵の飼育所チェックを終えるのはきびしいと感じ始めていたところに、追い討ちをかけるようにチェック物件が増えてしまった。
これまで秋間丘陵方面にほとんど来たことがなかったので、こんな変わった神社を見逃してしまっていたのだろう。不覚なり。
私は2階以上の宗教建築には目がなく、群馬県の楼門のほとんどを見たと思っているので、時間が押していても、これを見て見ぬふりで立ち去るわけにはいかない。
それにしても不可解な建築だ。
遠目には観月舞台かと思ったが、どうも参拝客が登れる建築ではなさそうだ。
あえて分類するならば、楼閣式の縦拝殿とでも考えればいいだろうか。これに近い印象の建築が、箕郷町の大山祇神社にある。地域的に近いので関連性が気になる。
拝殿を過ぎると急な石段があり、本殿らしき建物が見える。向拝がやたらに長くて大きい。
建物の形式としては、神社ふうではなくむしろお寺の建物だ。
本殿のまわりは狭く、ちょっと写真が撮りにくいのだが、この向拝がアンバランスさがわかるだろうか。
近くまで行ってみると、これは本殿ではなく、「覆屋(おおいや)」だとわかった。
つまり本殿を保護する、雨除け覆いの建物だ。
本殿は中に鎮座している。一間社流造りのちゃんとした神社建築。
面白い神社だ。
マイナーではあるが、群馬県でも屈指の珍神社ではないだろうか。
参道の途中には宝蔵らしきものがあった。
狛犬は筋骨隆々とした感じ。
子犬もかわいい。
(2008年05月02日訪問)