長野新幹線の安中榛名駅があるあたりは、秋間丘陵のなかでも山奥に人家が多く点在している地域だ。その集落の一つに明後沢という字がある。
群馬県で普通に生活している人が、偶然にこの集落に立ち入ることはまずないだろう。その集落の最後の人家を過ぎて、なお山奥に進んだ森の中に小さなお堂が見えた。
このページの右上の地図のリンク先にも、1/25,000 地形図にも存在が確認できない地味なお堂だ。いまここで参詣しなければ二度と来ることもないと思い、立ち寄ることにした。
このサイトで紹介するお堂としても、最も地味なもののひとつだろうと思う。
建物は宝形造で、屋根の宝珠の代わりに宝剣のような飾りが載っていた。
左側にはお籠りができそうな小屋が増設されている。
中は暗くてほとんど何も見えなかったが、地蔵格子のすきまから中を撮影して、思いきり増感してみた。
石像の不動が祀られている。
堂の裏側には砂防堰堤が作られているが、その奥になにやらしめ縄のようなものが張られている。
ここには以前は滝があって、行場だったのではないか。
(2010年05月02日訪問)