2011年のGW最終日。群馬県の蚕糸業関連のスポット巡りをして、徳島への帰路のことである。
群馬から徳島までは高速道を使って移動すると10時間はかかる道のりだ。私は高速道路走行はあまり好きではないので、少しでも抗ってインターチェンジまでのルートを変則的にして楽しむことにしている。
前年には、軽井沢を目指して入山峠を越えてみたので、今回は和美峠を通ることにした。この和美峠ルートは「姫街道」と呼ばれる古道で中山道の裏道でもある。具体的には下仁田町から妙義山の裏側通って軽井沢IC付近で峠を越え、長野県側では南軽井沢を通って追分宿で中山道と合流している。途中、軽井沢ICから長野道に乗ろうというわけだ。もっともかなりの山道なので群馬県民が西へ行くとき、このルートで軽井沢ICに行こうと考える人はまずいないであろう。
群馬県内では姫街道は国道254号線とおおむね重なっているため「254号線=姫街道」と認識されがちだ。しかし254号線は下仁田→佐久→松本という道なので、下仁田以西では姫街道とは離れる。その分岐点から姫街道独自のルートに入って2つ目の集落が小出屋だ。
山の斜面に張り付くように家々が建て込み、その集落を見おろすように墓地とお堂が見える。
ここに埋葬された人々は、村を見おろす神様となるのだろう。
建物はだいたい2階建てであり、養蚕農家と判断してよいだろう。
群馬県の明治期の養蚕農家の特徴である煙出しの越屋根は見当たらない。むしろ、真壁で格子状の意匠にするのは、長野県的な印象だ。かつては石置き屋根だったのではないだろうか。
自家用の畑がきれいに作られている。空家は少なそう。
蔵も目立つ。
林業や養蚕で比較的豊かな集落だったのだろう。
後日、町並みを歩いてみた。
(2011年05月08日訪問)