高崎の観音山というと、人里に近いお気軽な丘陵地帯というイメージがあるが、ちょっと奥に分け入ると深い谷が多い。
その渓谷のひとつに「千人隠れ」という崖があるので立ち寄ってみた。入口の目印は雁行川にかかる橋で、その横を降りてゆく。
橋から、千人隠れまでは100mほどか。
これが「千人隠れ」。
川の侵食で、崖がえぐれて雨の当らない岩陰が出来ている。町が立てた看板によれば、戦いに敗れた武士の一団が隠れたとか、天明の噴火のときに村人が降灰をさけて避難したという言い伝えがあるのだそうだ。
実際には、1,000人も隠れるのは無理で、せいぜい50~100人がやっと入れる程度の岩陰だ。
時期が年末だったのと、雨が当らないためか、地面はパサパサに乾いていた。
崖は、所々に礫岩を含む砂岩。
そういえば、小学校のころこの川の下流で化石探しをしたことがある。おそらく県内では有名な化石観察ポイントなのではないだろうか。
投入形式の堂や磨崖仏などもなく、観光地として見たときには、いまひとつ印象が薄い。
おなじ「センニン…」でも、吾妻町にある「仙人窟」という崖はかなりインパクトがあるので、いつか紹介したいと思っている。
雁行川の様子。
谷が深く日照時間が少ないのか、河辺には常緑樹が主に茂っていた。
これは、日当たりのよい尾根づたいの道。
かつては薪を取るために人手が入った山だったのだろうが、もう利用されることもなくなり、広葉樹を中心とした自然林(二次林?)が広がっている。
(2008年12月29日訪問)