総門の先には正面にズェガビン山がそびえ立つ。いまいる場所は、ズェガビン山の東側である。
先週訪れたの寺々はズェガビン山の西側であり、左写真の山並みの裏側にあたる。
気になっていたパステルカラーのパゴダが近づいてきた。
だが、三輪タクシーはスピードを落とすことなく通りすぎていく。
「あれ? 目的地はこのパゴダじゃないのか? 連れてってくれるのは別の寺? ていうか、このパステルカラーパゴダもちょっと気になるんですけど?」
しばらく進むと、ライムグリーンに塗られた僧院のようなものが見えた。
だがここも通り過ぎていく。
「すぐダヨ」というわりには結構走っている。
林間の村の中を進んでいくと門前町があり、三輪タクシーはその駐車場で止まった。
「ココがそうだよ。ズェガビン山の登山口ダヨ。」
そうか、東側にも登山口があって、寺があるんだ。
門前町は、カフェや駄菓子屋、衣料品店などがある。
西登山口の寺でも衣料品を売っていたが、門前町でシャツ売るのは普通なんだろうか。
駄菓子屋。ビニール袋に入った揚げた菓子や干しプラムを売っている。
飲み物は、アルミ缶のものはおおむね品質が高い。本物のコーラ、レッドブル(炭酸なし版)等の栄養ドリンクなどがある。ペットボトル飲料は、よく選ばないと昭和の駄菓子屋並の味のものが多く、ボトルキャップのねじ山が擦り切れて切れて開かないなんてことも。
寺は建物は多くなく、意外にこじんまりしていた。
中心となるのは、小型のパゴダのみ。
お賽銭箱。
ミャンマーのお賽銭箱は中身が見えるようになっている。お布施額を煽るためだろう。
一応、1ドル紙幣を入れておいた。
パゴダのところにも門がある。
パゴダの廻りはタイル敷きで、掃除が行き届いているので、どこでひざまずいても大丈夫。
ズェガビン山の登山口のパゴダとしてはずいぶん小さめだ。
とりあえず、八曜日の守り本尊に拝礼する。
八曜日の守り本尊については、これまでにも何度も出てきているが、ここで改めてすべての眷族を紹介しよう。
日曜日生まれの人の守り神。ガルーダ。
ミャンマー語の発音はガロウン。
インド神話に登場する架空の動物である。ミャンマーの寺でよく登場する鳥のモチーフは、ヒンダー(ハンサー)、カラウェイ、ガルーダがあり、正直なところ違いはよくわからない。
月曜日生まれの人の守り神。トラ。
ミャンマー語の発音はチャー。
火曜日生まれの人の守り神。ライオン。
ミャンマー語の発音はチンデェ。
ミャンマーの寺の門の左右にこま犬のように座っている像はこれだ。
水曜日の午前中生まれの人の守り神。牙のあるゾウ。
ミャンマー語の発音はスィン。
水曜日の午後生まれの人の守り神。牙のないゾウ。
ミャンマー語の発音はハインスィン。
木曜日生まれの人の守り神。ネズミ。
ミャンマー語の発音はチュエッ。
ネズミが「チュエッ」って、絶対鳴声から付いた名前だよね。ミャンマー語の動物の名前は鳴声のようなのが多い気がする。牛がノワー、豚がウェッとか。
金曜日生まれの人の守り神。テンジクネズミ(=モルモット)。
ミャンマー語の発音はプー。
本によってはモグラとか書いてある場合もある。どうやら本来はモグラだったらしいのだが、ミャンマーではモグラはよくない動物と見られているので、テンジクネズミに変わったらしい。テンジクネズミは南米の動物だ。
土曜日生まれの人の守り神。ナーガ。
ミャンマー語の発音はナガー。
インド神話に登場する龍で、コブラのような形で、角のある蛇として描かれる。
パゴダの裏手に立派な階段があった。
ここからズェガビン山頂まで登れるようだ。GoogleMaps で見てみると、登山道は距離が短く、等高線に対して恐ろしいほどに直角になっている。地図でみて平均斜度は45度なので、実際には両手両足で岩場にしがみつきながら登るような道だと思われる。
それはそれで、行ってみたい気がする。
階段のすぐ横には鍾乳石がある。
パアン周辺の独立丘陵の山肌は石灰岩で、こんな風に小さな洞窟になっている場所が多い。
階段の前にあった三連のお堂。
真ん中のお堂には釈迦。
左右のお堂には脇侍が入っている。
右側には白いお坊さん。
左側はウチワを掲げたお坊さん。
この人、わりとよく見かける。
帰ろうとするころ、階段の上から人が降りてきた。ここは本当に山頂まで行けるのであろうか。きょうは体力的に登れるコンデションじゃないが、別の機会に自分を試すために登ってみたいと思った。
後日、東参道からズェガビン山に登ることができた。→ ズェガビン東参道
(2014年02月02日訪問)