備中鍾乳穴から次の鍾乳洞へ向かう途中の字、
越屋根の妻部分に突き上げ戸があることから、折衷式のベーハ小屋と推定される。
だが、注目したいのはそこではなく、手前に植えられている作物。
葉タバコだ。
おそらく黄色種だと思う。タバコの品種には、大きくわけて黄色種、バーレー種、在来種の3つがあるが、ベーハ小屋を必要とするのは黄色種だからである。
現代ではタバコの葉の乾燥は、ベーハ小屋ではなく耕作組合の共同乾燥場で行われる。
このように葉タバコとベーハ小屋がひとつの画角の中で撮影できる場所はめずらしいのではないかと思う。
雨よけのハウスが掛けられているのは、おそらくピオーネなどのブドウの圃場だろう。こうして作目としての葉タバコが見られるのも、もうあまり長くはないかもしれない。
(2003年05月01日訪問)