トンェイン町は、中央のマーケットを中心に北地区と南地区にくっきりと分かれている。
その北地区のかなめになるのがトンェイン僧院だとすれば、南地区のかなめになるのがこのヤーマニャニッカヤ僧院だ。
この僧院の最大の見ものはこの五重の塔。
てっぺんにアーナンダ寺院ふうの塔のを載せているとはいえ、全体的には中国ふうと言っていいのではないか。
2014年に初めてこの道を通ったときは、まだコンクリ打ちっ放しで工事中の様相だったが、いまはもう完成してこのような真新しいファンシーなカラーに彩られている。
さっそく中に入ってみよう。
こんなハデハデな五重の塔があるので、観光寺院かと思いきや、境内の様子はどうみても修行用の僧院なのだった。
このへんの感覚が、いまだによくわからない。
境内側から五重の塔を見たところ。
ん? よく見ると最上階の陸屋根上にも登れるので、階数だけからいえば6階建てだ。
日本では塔といえば、3階、5階、7階、13階の奇数だが、中国では偶数が縁起の良い階数とされるので偶数になる。六重塔はピンウールィンの天然宮でも見たな。
さっそく登ってトンェインの町を鳥瞰するか!
と、思ったが残念ながら鍵がかかっていて入れない。
え~、なんで~? こんな素晴らしい塔を建てておいて、階段もつけておいて、登らせてくれないなんて~、このいけずっ!
でもまあ、参詣寺ではなくて修行寺なのだからこんなものなのか。
しかたない。
僧房のほうでも見学させてもらうか。
僧房は二階建てで、やや弱いモン様式の意匠をまとう。
二階へ登る階段の車寄せ部分は、変なとんがり帽子のような宝形屋根になっている。修行寺とはいえ、五重の塔を建てるくらいだから、どこか普通ではイヤってところがあるんだろうな。
二階へ登ってみる。
室内は広い板の間になっていて、用途としては講堂かな。
アーチにステンドグラスを使うのも、もしかするとモン様式の特徴なのかもしれない。以前にも似たようなものを見たな。
二階から見下ろすと回廊が南のほうへ続いている。
どう見ても修行僧の生活空間っぽいエリアだし、あんまり面白そうなものもなさそうだが、これも一期一会。すみずみまで見ておこう。
回廊を進む。
サンダル履きなので、タイルの上は歩かずなるべくコンクリのタタキの上を歩くことにする。
途中、沐浴場があり袈裟が干してあった。
この回廊の先は寺の南門につながっていて、こじんまりとしたパゴダがあった。その内部。
外観は写真を撮り忘れた。それほど五重の塔に登れなかったせいでヤル気が失せていたのだ。
修行僧を見つけて「アソコ、ノボリタイ」とおねだりすればよかったか・・・
(2016年12月17日訪問)