トウマ山パゴダ

サダン山脈北端の小さな尾根にあるパゴダ。

(ミャンマーカレン州パアン)

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続いて、もうひとつ軽い小山に登ろうと思う。

コウカッタン洞窟寺からAH1号線を南へ、ナンロン峠を越え、ナンロン村へと入る。

村の道路には新年を祝う落書きがあった。こうした落書きはここだけでなく、ところどころで見かける。

日本では自転車の山岳レースのコースにチョークで応援メッセージを書いたものは見たことがあるけれど、道路の落書きというのはあまり見ないな。

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ナンロン村の三差路からラインカァ峠へ通じる間道へ入る。この道を走っているとき、田んぼの中に見える山にパゴダがあることに少し前から気付いていた。

もちろんミャンマーではパゴダがあったからという理由でいちいち山に登っていたらキリがない。だが、きょうは時間をゆっくり使い、普段なら行かないようなところへ行く趣旨なので、このパゴダへ行ってみようという気になったのだ。

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あれが件のパゴダ。

この山はサダンケーブから連なる山並みで、私は勝手にサダン山脈と呼んでいる。その山脈の北端部分にあたる場所だ。

パゴダだけでなく建物が見えるので、おそらく山上へ登れるのだろう。標高は70mくらいだろうか。

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パゴダへの入口には山門はない。

NLD(政党)の地方事務所が目印だ。

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NLD事務所の横の路地を入っていく。

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あとは道なりにあぜ道を進んでいけばよい。

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ほどなくお寺に到着。

パゴダといっても無人ではなく、修行僧っぽい人がオートバイで出かけるところだった。

ふもとには質素な僧房があるだけ。それでも数人の修行僧がいるようだった。

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修行僧に聞くと、この石段を登れば山頂までいけるとのこと。ついでに山の名前は「トウマ山」だと教えてくれた。

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きょう二度目の山登り。

ふもとから見えている場所が最終目的地ならば、それほどつらくはないはず。

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途中にいくつかベンチがあり、休憩もできるようになっている。

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約10分で山上伽藍へ到着。

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なんと、山頂のほうにお寺の主要な建物がある。つまりこのお寺の修行僧は、毎度毎度、標高差50mくらいの石段を登り降りしなければならないのだ。

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僧房の横にちょっと雑なゴールデンロックレプリカがあった。

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現在、RC造の立派な講堂を建設中。

ちょうど修行僧が鉄骨をふもとから二人で担ぎ上げているところだった。鉄骨だけでなく、セメントや骨材、水なども担ぎ上げなければならず、大変な修行だ。

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建設中の講堂の横に石段があり、上のほうに建物が見える。

登ってみよう。

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建物は仏殿だった。

ここもまだ建設中。

工事の人夫が中で昼寝中。

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仏殿の横にさらに階段が続く。

ふもとからみえていたパゴダがある岬のような場所へ行くのだ。

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パゴダは建物の屋根に載っていて、下部はやはり仏殿になっている。

ここはタイルも貼りおわって工事はすべて完了している。清潔になっているので跪拝もしやすい。

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仏殿の横からパゴダの基礎のほうへ出られる。

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パゴダはこんな感じ。この突き出た岩山の一番高い場所に建てられている。

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ここからは東方向が開けていて、ほぼ180度の展望がある。あまり高い場所ではいが、人も来ないし静かにすごしたいときには最高の場所だ。

南のほうを見ると、ぽつんと小さくタンガリー僧院の山が見える。あの山はもう登った。

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視線をやや東へ向けると、中央に小さくカモカポ山が見える。カモカポ山にも山上にパゴダがあるのだが未登頂。そのうち登ってみたいと思っている山だ。

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ほぼ真東に見えるのはヤーペータン山。いろいろな情報から、この山にも鍾乳洞があるらしく、今回の訪問期間中に探しに行く予定だ。

急にふもとの村から、男たちの叫び声が風に乗って聞こえてきた。声の主は見えないが田んぼから聞こえてくるようだ。単に酔っ払いが叫んでいるというのではなく、鳥追いのような民俗行事をやっているのではないかという感じだ。

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パゴダから西側は、サダン山脈の峰がそびえている。切り立った荒々しい山肌だが、これから開拓の余地がありそう。あの急斜面にぜひ登山階段を開削して、お堂やパゴダを建ててもらいたい。

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このトウマ山パゴダは、いまのところお地元の人もあまり来ないような観光とは無縁の場所だが、そこそこ眺めもよく楽しめた。こういう山寺がまだまだ見つかるのだから、カレン州は面白いなあ。

2019年ごろ寺へ行くための新しい道ができたので、冒頭の狭い路地を入る必要がなくなった。

(2017年01月01日訪問)

D24 地球の歩き方 ミャンマー(ビルマ) 2020~2021 (地球の歩き方D アジア)

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地球の歩き方編集室 (編集)

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