コウカッタン洞窟寺・迷路と山上伽藍

前から気になっていた岩山に登ってみた。

(ミャンマーカレン州パアン)

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年が明けて1月1日。いちおう1日は祝日なのだが、あまり盛り上がりもなく静かな元旦だ。お店も普通に営業しているし、道路工事をしていたり、平日とあまりかわらない空気。

きょうは、近所なのにこれまでなんとなく行けなかった場所へいってみようと思う。そのひとつが、コウカッタン洞窟寺の山上伽藍(左写真)だ。

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コウカッタン洞窟寺は、パアン市エリアでもっとも遊べる寺だ。一度にすべてを見ることができず、これまで何回も記事を書いてきた奥深い寺なのである。

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その寺の入口付近にある迷路。これも何度か前を通りながら、一度も中に入ったことがなかった

きょうは時間がたっぷりあるので、まずこの迷路に入って見ることにした。外壁が鮮やかに塗られ、以前みたときよりも立派になっっている。

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大きさは1辺およそ25mの正方形。以前に迷路寺でみた迷路よりはひと回り小さい。

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内部はこんな感じ。外壁と違って、素焼きのレンガがそのまま積まれているだけだ。

壁の高さは150cmくらいなので、他の通路を見渡すことができる。通路が丸見えなので簡単そうに見えるが、実はこれがなかなか厄介。

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というのは、分岐があってもどれが正しいルートなのかが判るのがかなり先になるように設計されているからだ。たとえば左写真の分岐で、右奥から来て、中央か左のどちらかを選ばなければならないとして、すぐに判断できるだろうか。

もし行き止まりのルートを選んでしまえば、50m以上無駄に歩くことになるのだ。

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途中で疲れて、塀を乗り越えている男の子がけっこういる。

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ゴールが近づいてきても、まだ分岐があるのだ。

「そっちだよ! そっちに入って!」

先にゴールした子どもがアドバイスしてくれるが、間違ったルートを指している。油断ならない。

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写真を撮りながら、ゆっくり歩いてゴールまで約10分。

ゴールには仏陀がいる。

そして出口まではまた10分かかる。

所要時間はしめて20分。その間、ほぼ歩き続けることになる。先の予定があるような旅では、時間に注意して入りたい。

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続いて、山上伽藍へと登る。ここもこれまで、あることがわかっていながら登るチャンスがなかった場所だ。

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崖に強引な階段がついている。

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狭くて急な階段。これが、カレン州の寺の山上伽藍の醍醐味。

なんかクセになる。もっと強引な階段を登ってみたい!

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迷路が眼下にみえている。

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岩山はたぶん石灰岩と思うが、層理があって、石垣を積んだような奇観を作り出している。

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途中、鍾乳洞と思われる小さな穴があった。おそらく吸い込み穴ではないか。

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日本なら、十六羅漢岩なんて名前がつきそうな岩。

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頂上付近に平坦な場所があり、建物の基礎っぽいものがあった。廃虚なのか、これから建設する予定なのか。

だいぶ息が上がってきたので、ここでひと休み。

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残りはわずかだ。

山頂は双耳峰になっていて、ひとつのピークに金色のパゴダがある。

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ふもとから15分ほどで鞍部に到着。標高は推定で100m。

まずパゴダがある手前の峰に登ろう。

山頂にパゴダのほかに城壁みたいな壁と小さな瞑想堂がある。

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パゴダは高さ3mほどで小型。

瞑想堂の中は空っぽだった。突然の雨のときの避難所に使えそう・・・

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双耳峰のもう一方の峰には建築物はなく、ガレ場になっている。

では、もう一方の峰に登り返そう。

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双耳峰の鞍部には深い亀裂があり、頼りないような竹の橋が渡してある。

落ちたら大けがは免れない。

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こちらの峰のほうがやや標高が高いようだ。

南側の尾根にもパゴダが見えるが、明確な登山道はなさそう。

パゴダのある峰を見返す。

まるでCGで描き出した古城の廃虚のようだ。だがこれは現実の風景なのだ。自分の目で見ていながら、現実感が薄れていくような不思議な感覚。

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北側の風景。

中央がパアン市方向だ。

南側の風景。

斜めに延びるのが国道のAH1号線。中央付近にナンロン峠があり、土柱が見られる。

(2017年01月01日訪問)

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ムック – 2022/7/26
島田 裕巳 (監修)
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