上桜公園と水神の滝

リアルなスペースシャトル型滑り台がある。

(徳島県吉野川市川島町桑村)

川島町の上桜温泉(2012年閉館)という日帰り温泉に行くついでに近くの上桜公園を散策してみた。

公園は清掃工場に併設された運動公園で、一部が児童公園になっている。

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そこには空中回廊をメインとした複合遊具があった。

複合遊具は斜張橋のつり橋、お城ふうの尖塔、スペースシャトルから構成されている。

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スペースシャトルといえば過去に石井町の物件を紹介したが、それに比べるとものすごくリアル。

「スペースシャトルって、たしかこんな形だよね?」って適当に作った感じではなく、実物の写真やプラモデルなどを見ながら精密に設計されたとしか思えない。高空から落下させたら、本当に滑空しそうな迫力。

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後部がローラー滑り台になっているが、それが飛行機雲を思わせる秀逸なデザイン。

コックピットなどの内装が再現されているかは確認しなかった。というのも、このシャトルに入るには右側のタワーにハシゴで上り、そこからリングトンネルを通る意外に方法がないのだ。しかもリングトンネルは大人には狭く、一眼レフカメラを持って通り抜けるのは面倒すぎる。

これ、子どもにとっても面倒なのではないかな。普通にタラップを付けてほしかった。

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後部はシャトルの機体から出たところにいったんデッキがあり、その先が滑り台になっている。

シャトル内から直接滑り出せるというわけではない。

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ローラーは細目のタイプ。

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尖塔側にもステンレス滑り台がある。

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こちらは塔の内部の螺旋階段で登ることができる。

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ほかに遊具としてはコーヒーカップ状の回転遊具や箱ブランコがある。

箱ブランコは気球型で、中央の柱で固定された剛構造。四隅に柱がなくロープになっていて、全体は気球を模している。

地面からの高さも充分にあり、いわゆる、箱ブランコ事故は起こりにくい。

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園内には水車小屋があった。

案内板によれば、近くに水神の滝という滝があるということなので行ってみた。公園から歩くとちょっと距離があるので、自動車などで移動したほうがよいだろう。

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滝は落差10mほどの小さなものだが、風情はある。

滝口に橋がかかっていて、登ることができる。

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滝口から滝壺を見た様子。

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滝口から上流を見るとまた小さな滝が続いている。

上桜公園が扇状地の(かなめ)部分にあたり、そこから急激に山脈が起ち上がっているため、少し山に入ると風景が一変する。四国の中央構造線の南側の特徴だ。

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中央構造線の南側は西南日本外帯と呼ばれ、太平洋の海底の堆積物がプレートの動きで押し上げられて地表に出た地質だ。

太平洋側の海底はマントルに沈み込む際に、強い圧力と横方向の剪断力を受け、層状に結晶化した岩石に変化する。そのうちで、マグマなどの高熱の影響を受けずに比較的低い温度の中で変化した岩石を結晶片岩という。

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徳島県で外帯の一番北側にあるのは「三波川(さんばがわ)帯」という地質帯だ。関東では群馬県の南西部の三波川付近に露頭しているためにその名前が付き、庭石の「三波石(さんばせき)」が有名。同じ岩石が四国では「青石(あおいし)」と呼ばれる。

私が徳島で住んでいる家もこの三波川帯上にあり、地面はすべてこの岩で出来ている。

(2006年03月11日訪問)