中国地方最大のパワースポット、出雲大社。暑いし、再訪なのであっさりと見ていこう。
日本の神さまは、天皇家の遠い先祖とされる神々(天つ神)と、それ以前から日本にいた土着の神々(国つ神)とに分類できる。出雲大社は土着の神々の代表格ともいえる大国主命をまつる総本山ともいえる神社である。
参道は旧国鉄大社駅から北へ1kmほど続いている。その両側はかつては松並木で、土産物屋や宿屋などが並んでいたのかもしれないが、いまは櫛の歯が抜けたような感じで閑散としている。
途中には一畑電車大社線の出雲大社前駅がある。旧国鉄大社駅と同様に終着駅で、こちらは現役の駅だ。
最後のほうは少し坂になっていて、二の鳥居でもある勢溜の鳥居が見えてくる。二の鳥居から本殿までは500mほどあるので、ここらから歩いてもまだ結構な距離がある。
二の鳥居の前にある雲太という建物。現在は古代出雲大社模型展示館として使われているが、それ以前は土産物屋だったか、あるいはもしかすると芝居小屋だったのではないかという風情の建物だ。
勢溜の鳥居の近影、ここからが本格的な出雲大社の境内になる。
もっとも駐車場はもう少し神社に近いところにあり、私も駐車場に車を置いているので、このあたりを歩いたわけではない。
駐車場は参道の側にあり、かなりの台数が置けるので平日であれば駐車に困ることはなかった。近所には出雲蕎麦が食べられる店が何店舗かあるので、食事をするのにも便利だ。
駐車場から大社のほうへ歩くと途中にあるのが祖霊社。そういえば日御碕神社の参道にも祖霊社あったな。
大社の西隣の敷地にある千家。出雲大社の神職の住居。
通用門のほうから少しのぞいてみた。
中はこんな感じ。
千家のとなりには大神楽殿がある。
国旗が掲揚さているが、大きさがハンパではない。6畳くらいある?
神楽殿の内部。伝統的な近代建築。
神楽殿の入口付近にあった末社の金比羅宮。
ここから出雲大社の本来の境内へ入って行く。目立つのは巨大な縦拝殿とそこに下げられた巨大なしめ縄。
出雲大社の本殿は、言わずとしれた大社造りなのだが、2重の瑞垣に囲まれていて正直よく見えない。
縦拝殿の後ろには八脚門があるが、一般の参詣者が近づけるのはここまで。
出雲大社の拝みかたは、二礼四拍手一礼といって、通常2拍手するところが4回。
手前の石畳にある赤い丸は、古代本殿の柱の位置を示している。確か以前に参詣したとき、この場所がちょうど発掘中だったと思う。
ここからは瑞垣の回りを歩くことができる。このあたりは、伊勢神宮などと違って親しみがもてる。
八脚門の左側には神社庁の建物。モダニズム調のなかなかかっこいい建物だ。
八脚門の左右は回廊になっているが、東回廊の一部は2階建てになっている。境内図によればこれは観祭楼と呼ばれる建物。
全国の神さまがここに集って祭りを観るのか?
順路にそって、瑞垣を左回りに見ていこう。
まずあるのは東
十九社は檜皮葺き、言ってしまえば「十九間社流造り」の構造だ。
このあたりから大社の本殿の上半分がよく見えるが、この日は超絶に逆光だったため写真は撮れず。
北東の角にある建物、「文庫」。
本殿のほぼ真裏にあたる場所にある摂社の
北西の角にある彰古館。
内部には大黒天像が祀られていた。
西側に回ると順光になるが、瑞垣が邪魔でやはり本殿はよく見えない。
瑞垣の西側にある氏社。
その手前には西の十九社がある。
陰暦の10月、全国の神さまが出雲大社に集まって縁結びなどの会議をすると言われている。この末社のアパートはそのときに神さまが寝泊まりする場所とされている。
そういえば、このとき全国からヒキガエルが貢ぎ物を出雲大社まで運ぶとという俗信があるが、私が東京の高円寺に住んでいたときちょうどその季節に、マンションの前をヒキガエルが西にむかって跳ねていたことがある。あのカエル、ちゃんと出雲まで行けたのだろうか。
時間はもう15時を回っていたが遅い昼食。門前で出雲蕎麦を食べる。
出雲蕎麦は3段の小椀(割子)に入って積み上がったぶっ掛け蕎麦で、薬味が最初から載っていたりする。いわゆる蕎麦好きの人にはあまり口に合わんのじゃないかと思われる蕎麦が多いのだけど、名物でもあるのせっかくだからいただく。こういうものだと思って食べればそれなりに美味しい。
(2005年09月02日訪問)